気がつくと、店にお客が来なくなった…その理由と防止策とは?
クレームとしてわざわざ声を上げていただいたお客様に対しては、それまで以上にちゃんと対応していく、リカバリーをしていくことが大切です。サッカーの試合でもそうですよね。誰かがパスミスをして、相手チームのボールになったら、フォワードもディフェンダーも関係ない。全員で守って、ボールを奪いにいきます。そのためには、リーダーがチーム全員と密なコミュニケーションをとる、しかもちゃんと目を見て言わないとだめです。そのようにすることで、お互いの信頼関係が生まれ、クレームに対して前向きに向き合い、お客様に適当なことを言うのではなく、最初に「申し訳ございません」が自然に出るような組織に変わっていくのです。
さらにクレームの中には、ノウハウとして蓄積できるようなものもあります。例えば、あるチェーン店舗のオープン時に、混雑してレジに10分以上も並ばされてしまうようなことがあると、待てないお客様は、買わずに帰ってしまうことがあります。
そのようなクレームの場合は、前始末として、「これからはオープン時にはレジを増設しておく」ということがノウハウとして蓄積できる。そうすれば、次のオープンの時には、レジで待たせるようなことが少なくなる。
このようなクレームに対するリカバリーの速さと質が高い企業でしか、これからは生き残れません。「お客様はいとも簡単にいなくなる」、そのくらいの危機感をリーダーは常に持つべきではないでしょうか?
(文=田中雅子/田中総研代表 ユニクロ元マネージャー)
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