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「この前、ラーメン店の駐車場に車を停めて、食事して1時間ほどで出たら、助手席側の窓ガラスが割られていて、釣銭が盗まれていた。すぐに警察を呼んで事情聴取となり、その日は仕事にならなかったよ。相方(翌日、その車に乗るドライバー)が困るから、割れたガラスをきれいに掃除して車を返したんだ。
次の日、会社に呼ばれて事故報告書を書いたら、『窓ガラスの物損金として2割を負担してもらう』と言う。『こっちは被害者じゃないか!』と言っても『駐車場に停めたお前が悪い』という理屈でね。事故ならこっちが悪いから納得できるけど、車上荒らしに遭っても『お前が悪い』と言うんだから、やってられないよ」
こういう体質の会社は、タクシー業界では決して珍しくないというが、「従業員を大切にする」という考えが少しでもあれば、もう少し違った処遇になるはずだ。早い話が「運転手の代わりなど、いくらでもいる」というのがタクシー業界の考え方なのである。別の会社のドライバーからは、こんな声が聞こえてきた。
「高速道路を走行中、石が飛んできてガラスにヒビが入ったんだけど、これも物損金扱いで1万円取られたよ」
客からのチップも会社が5割吸い上げ
この会社は、最近になって「チップ上納システム」まで導入したという。
「ドライブレコーダーでチェックして、運転手がもらったチップの5割を天引きするんだ。チェック役を1人雇っているんだけど、俺らが手にするチップは少なくて1日1000円、多くて2000円ぐらい。1人当たり月1万5000円ぐらいだけど、運転手が40人いるから総額は60万円にもなる。その半分を持っていこうとするんだ」
会社側はドライバーに対して「お客様を大事にしろ」と言うそうだが、その前にドライバーの待遇をよくしなければ接客態度もよくならないのでは……と思える話である。
(文=後藤豊/フリーライター)
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