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ガバナンスの消失
そもそも、なぜ日本の名門企業の名をほしいままにしてきた東芝が存亡の危機に立たされているのか、そこには名門ゆえのガバナンスの喪失が潜んでいる。
東芝の重電部門とそれ以外の部門は、人事も含めまったくと言っていいほど交流はなく、カルチャーも異なる。重電の取引先は防衛省などの官庁が多く、いまや終戦間近の「大本営」といわれている。つまり極端な縦割りで、その意味で分社化はしやすい。重電の情報(状態)は他部門にはわからず、その逆も同じ。現在の医療部門出身の綱川智社長は、東芝で何が起こっているのかわからない状態で、ガバナンスが喪失している。損失額が5000億円から7000億円に拡大したことも、直前まで綱川氏は把握していなかった。
取引金融機関が最も危惧しているのは、実はこうしたガバナンスの喪失にほかならない。損失額がはたして7000億円で収まるのか疑心暗鬼になっている。主力行は近く、東芝に役員クラスを出向させることになるとみられる。
(文=森岡英樹/ジャーナリスト)
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