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もし、このシナリオが進んでいるのであれば当然、PwCあらたは6月末の有価証券報告書の法定期限までに監査を終了することなどないであろう。まさしく、監査法人が東芝にとって“前門の虎”となっている。
追加融資に“二の足”も
三菱UFJフィナンシャル・グループは17年3月期決算で、東芝向け融資を「要管理債権」に引き下げた。
「三菱UFJは東芝のメインバンクではないとはいえ、同行が債務者区分を引き下げれば、他行も引き下げに動かざるを得ない」(メガバンク幹部)
要管理債権への引き下げは、多額の引当金を積まなければならなくなるため、メインバンクといえども、追加融資には“二の足を踏む”可能性が高まる。
みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は15日の決算発表の記者会見で、「東芝をサポートする姿勢は基本的に変わらない」と述べた。しかし、ある条件が付いていることは重要な意味を持つ。それは、6月末の有価証券報告書の法定期限に監査法人の意見が得られず、「上場廃止問題が現実味を帯びてくれば、融資姿勢を見直す大きな要素になる」としたことだ。
メインバンクといえども、東芝に対して適正な融資を行わなければ、株主代表訴訟を受けるリスクがある。
「今の東芝とメインバンクの関係は、何がなんでも東芝を救うというような状況ではない」(メガバンク幹部)
こうした冷めた声も聞かれるなか、今やメインバンクは“後門の狼”に変身する可能性を秘めている。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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