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ソフトバンク新卒採用、1位の特技ある人のみ応募可…就活売り手市場への大誤解

文=日下部貴士/A4studio
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 草食化の波は恋愛に限らず、キャリア選択にまで及んでいるのだ。では、ユニーク採用の学生側のデメリットはあるのだろうか。

「PRも兼ねているという点を理解して応募する分にはデメリットはないですね。そもそも、それで100人採用するわけではないのですから。ユニーク採用にすべてをかけるような無謀なことをしなければ、そんなにデメリットはないと考えていいでしょう」(同)

 企業側と同様に、ユニーク採用は学生にとってもそこまでデメリットはないようだ。ただ、消極的な学生が増えているというように、応募する学生はそこまで多くはないのかもしれない。

優秀な学生にとっては楽な“売り手市場”が続く

 最後に、増沢氏に今後の採用活動についての見通しを伺った。

「アジアでの戦争勃発など激しい環境変化がなければ、今の人手不足の状況は変わらないので、採用自体は学生にとって有利な売り手市場が続くと思います。そうはいっても企業側が欲しいのは、“自分たちの考える優秀な人材”。売り手市場だからといって、誰でも採るということはしない。そのことを学生は勘違いしないようにしてほしいです。また理工系学生のニーズは引き続き強い一方、銀行が社員をリストラするなど、企業の組織構造が昔と変わってきています。文系の需要がなくなることはないでしょうが、新卒正社員でなくともすむ事務系より、サービス系需要が強まっています。(同)

 理系学生とは違い、文系の学生にはアピールすべきスキルがないことが多い。その対策として資格の取得をする学生がいるが、増沢氏は「スキルや資格はあまり役に立たないかもしれない」と続ける。

「採用側としては、司法試験合格など超難関の資格ならまだしも、誰でも取れる程度の資格はたいして重視しません。むしろ企業の市場環境や商売の仕組みを理解しているといった企業研究のほうが重要。学生の多くが広報や企画をやりたいと言いますが、仕事を取ってきているのは営業です。しかし、おそらくほとんどの学生が、営業とは何かをわかっていない。ただ単に『大変そうだから嫌』と言ってるだけ。そうではなく、営業があるからこそ会社が回っていると理解する。意識を変えれば、就職活動でもいい成果を出せるのではないかと思います」(同)

 売り手市場は今後も続くと予想されるが、有利なのはあくまで“企業が欲しいと思う”学生だ。ユニーク採用を利用すればチャンスは広がるが、かといって就職活動が楽になるわけではないことを、今の学生は肝に銘じておくべきだろう。
(文=日下部貴士/A4studio)

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