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極端な話をすれば、火災や地震が起きたとき、基準が厳しい保育所部分は無事に残っても、基準が緩い駅舎部分が大きな被害を受けることがありうる。駅ナカ保育所の出入口が駅に面した1カ所しかないと、避難しようとした幼児や保育士が、駅の中で犠牲になってしまう可能性もゼロではない。
その「駅舎崩壊」が現実に起きたのが、都市直下型地震の恐怖を見せつけた95年の阪神大震災である。この時は阪急三宮駅、阪急伊丹駅、阪神岩屋駅、阪神西灘駅、JR新長田駅などで駅舎が倒壊した。当時はまだこの地域に駅ナカ保育所はなかったが、もし今、同じ規模の都市直下型地震が首都圏や関西圏を襲ったら、駅ナカ保育所にいる幼児たちはどうなるだろう。
待機児童の問題がどんなに深刻でも、子どもの安全と引き換えにできるだろうか?
03年、JR西日本の駅ナカ保育所「JRキッズルーム」第1号が誕生したJR六甲道駅は、その8年前の阪神大震災の朝、真新しい駅舎が轟音とともに崩壊したことを最後に付け加えておこう。
(文=寺尾 淳 フリーライター/ファイナンシャルプランナー)
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