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もちろん何度繰り返してもいいが、副総裁の位置はかなり限定された職務であるということだ。リフレ政策に期待する人は、若田部氏の起用に過剰な期待を抱くむきもあるが、我々はヒーローを送り出すのではないことを肝に命じておくべきだ。もちろん限定された役割のなかであれ、若田部氏がデフレ脱却のためにその全身全霊を賭してくれることは、筆者は誰よりも保証したい。
雨宮氏について個人的な評価は「最悪の中の真ん中ぐらいの最悪」と認識している。黒田総裁以前は、デフレ脱却を目指すよりもひたすら、デフレ脱却もどきを追及してきた人物だと認識している。この筆者の認識はいまも基本的に変わらない。ただ日銀の組織的な都合ではやむを得ない人事だったのだろう。しかしこの人選は、黒田総裁の金融緩和姿勢を見る上でかなりの足かせ(旧来のデフレを放置し、いまも出口政策を早急に求める勢力の代弁)として機能するのではないだろうか。その意味ではまったく賛成しかねる人選である。人事案はそのまま通るであろうから、雨宮氏には日銀の「省益」を重視するあまり、国益を損なわないことを祈るしかない。
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)
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