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ミニストップ、販売不振深刻で赤字転落…セブンらの圧迫、崩れるイートイン優位性

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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優位性が消滅

 大手3社がイートインを充実させていることも、ミニストップの業績を悪化させる要因となった。

 コンビニのイートインといえば、かつてはミニストップの専売特許だった。1980年に1号店を開店した時からイートインの設置を始め、買った飲食物を店内ですぐに食べたいという需要を取り込んできた。大手3社との差別化につながることもあり、ミニストップはほとんどの店舗でイートインを設置している。

 一方、大手3社は一昔前まではイートインの設置には消極的だった。皆無だったと言っても過言ではないだろう。イートインに対する需要は限定的だったためだ。イートインにスペースを割くより、商品の陳列スペースに充てたほうが売り上げを伸ばすことができるという考え方からだ。

 しかし、時代の進展とともに消費者ニーズは変わり、買った飲食物を店内ですぐに食べたいという需要が高まったため、大手3社は近年、イートイン設置店舗を急速に増やすようになった。その結果、ミニストップの優位性が低下してしまったのだ。

 このように、コンビニ大手3社との競争が激化したことがミニストップの業績悪化につながった。結果として、ミニストップは18年2月期の国内既存店売上高を前年比1.5%増やす計画を立てていたが、最終的には0.2%減となってしまった。

 韓国の不振も響いた。実は、韓国のミニストップの店舗数は2501店(18年2月末時点)で、日本より約240店も多い。17年度は上期(6カ月間)だけで約60店も純増している。

 韓国では店舗数を増やすとともに、大型店を増やしたりイートインの導入を進めるなど1店1店の収益力を高める施策を講じてきたが、18年2月期は景気低迷や天候不順が原因で販売はふるわなかった。既存店売上高を0.2%増やす計画だったが、結果は4.2%減となった。

 国内と韓国で売り上げが想定に届かなかったことに加え、不採算店の閉店損失と店舗の減損損失で22億円の特別損失を計上したことが影響し、最終赤字に陥る見込みとなった。

 ミニストップをめぐっては、業界再編の行方も気になるところだ。ミニストップはイオン傘下だが、そのイオンの筆頭株主はローソンと同じ三菱商事だ。そのため、イオンとローソンが経営統合して、ローソンとミニストップを合併させるのではないかという見方がある。

 イオンとローソンの関係は浅くはない。両社は12年にエンターテインメントの分野で協業していくことを発表。13年にはミニストップの店舗にローソンのマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」を導入するなど、関係を深めている。こうしたことが、両社が合併するのではないかという見立ての根拠となっているのだ。

 ミニストップとしては、業界再編に動くのか、それとも独自に業績回復を目指していくのか。いずれにしても、起死回生の一手を打つ必要がある。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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