昨年4月1日にオープンした、レゴランド・ジャパン・リゾート。東京にはディズニーリゾート、大阪にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と、国内の大型テーマパークといえばこの2つだったところに、「やっと名古屋にもできた」と、とても喜ばしかったのを覚えている。
そのレゴランドが基本料金の一部を値下げすると発表した。繁忙期と閑散期で差をつけるという。たとえば大人1日券は、夏休みなどの繁忙期(年間約120日)は6900円と据え置きで、その他の閑散期は5000円になる。さらに閑散期には子供1日券が最大で3割安くなる。この価格設定の背景には、平日の集客増を狙うという戦略が考えられる。
レゴランドジャパンは開園当初、年間200万人の来園者数を目指すとのことだった。
1年前は愛知、岐阜、三重の近隣3県以外からの来場者は全体の6割だったそうで、入場者数を増やすには、海外や他県からの集客が今後の鍵を握るという状況だった。この6割という数字がベンチマークになり、今後はこの値下げによってこれがどう推移するかが注目される。
また、これまで年間パスポートは大人1万7300円、子ども1万3300円だったが、閑散期、繁忙期の組み合わせにより3種類用意される。平日を中心とした閑散期の「スターターパス」は大人9900円、子ども6500円。お盆やお正月など混雑する時期を除いた年間約280日間入場できるスタンダードパスは、大人1万6400円、子ども1万700円で、さらに併設の水族館にも入れる。いつでも入場できるプレミアムパスは大人2万1900円、子どもは1万6900円とされた。さらに併設の水族館に加え、東京や大阪にある娯楽施設レゴランド・ディスカバリー・センターにも入場できるとのことだ。
これは、値下げや値引きというよりも、「ファミリー向けチケットをよりお求めやすくした」ということになる。一見、同じことを言っているようだが、その意味合いは大きく異なる。
「値決めは経営」
価格は価値の格という文字で表されるように、顧客が価値に見合う対価を支払うものである。それを「下げる」と表現するということは、ブランドマネジメント上で非常に重要な「見た目の価値」を下げると受け取られてしまうことになってしまう。
レゴランドとしては「値引きする」「値下げした」ととらえられるよりも、子ども連れのファミリー層を主要ターゲットにしているため、「ご家族向けのサービスの一環として、平日に来園しやすい価格設定をしました」という表現するほうが良いであろう。