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虚構の上に成り立つ日本経済
とはいえ、それでも人類社会は今でも虚構の上で成り立っている。日本経済も同じである。「景気は循環する」「投資は全体で見ればリターンが返ってくるものだ」「インフレは経済を発展させるのでむしろいいことだ」「円安になると日本経済は息を吹き返す」といった考えは日本人全体に広まっていて、皆がこのことを信じて経済活動を行っている。
さらには「年金は若い頃きちんと支払っていれば老後に損をすることはない」「公共投資は不況対策として有効だ」「国債は安全資産である」、そして「日本円は紙くずではない」といった思想を皆信じて、税金や年金を国にゆだねて信じて生活を続けている。
繰り返しになるが経済とは基本的に「虚構を信じるという人類特有の能力の上に築かれている仕組み」である。だからこそ一見おかしな状況も誰も疑念を抱かず経済は今日もまわっている。これまでもそうだったように、これから先も虚構が崩れ、人類が新しい思想を信じるように変わるという出来事は何度も起きていくだろう。とはいえ私が生きている間には、あまり大きな虚構崩壊は起きてほしくないと思う次第である。
(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)
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