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ローソンが三菱グループの総力を結集して「かつてないコンビニ」をつくり始めている

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 ローソン銀行の将来を考えた場合にも、三菱グループとの関係強化は重要だ。三菱UFJ銀行は、「MUFGコイン」の開発など、フィンテック(金融とIT技術の融合)を重視している。ローソンが三菱グループとの関係を強化することにより、将来的にローソン銀行がMUFGのフィンテック技術を活用することもあるだろう。その結果、ローソン銀行が、他のネット銀行や小売り系の銀行にはないサービスを提供する可能性もある。

ローソンに期待される新しい店舗運営への取り組み

 
 16年の年初頃にローソンの株価は最高値を付けた。それ以降、同社の株価は下落トレンドをたどっている。市場参加者は、同社がどのような成長を目指しているか、つかみかねていると考えられる。

 ローソンの経営陣に求められることは、三菱グループとの関係強化からもたらされるシナジー効果を早期に発現させていくことだろう。それができれば、ローソンは三菱グループとの関係強化の意義を市場参加者に示すことができる。

 具体的な取り組みを考えると、都市部においてローソンは無人店舗の運営を加速させる可能性がある。そのなかで、商社の物流機能がどのように役立っているかなど、具体的な成果が示される必要がある。

 また、ローソンには過疎化に直面する地方での取り組みも期待したい。ひとつの思考実験として、コンビニに食料品販売の機能に加え、インターネットや通販を通して注文した荷物の受け取りや配送の拠点、銀行の機能などが備わったと想像してみよう。その地域に住む人々にとって、そのコンビニを使う満足度は一段と高まるはずだ。

 そうした取り組みを考えることは、過疎化が進む社会における暮らしやすさを考えることでもある。ローソンがグループ内の物流や金融の知見、ネットワークを活かし、従来にはない付加価値を提供できるコンビニが誕生するとよい。

 すでに、コンビニと他の業種の融合も進んでいる。コンビニの機能をもつドラッグストアの出現はその一例だ。ローソンが他の業種と協働することも増えていくだろう。ローソンは医薬品販売、介護相談などの機能を備えた「ヘルスケアローソン」の店舗を展開している。医療機関などと連携して店舗運営を行うなど、ローソンが従来にはない発想で出店戦略を進め、その結果として人々の満足感を高めることができれば、同社の成長期待は高まるだろう。ローソンが、三菱グループの力を活用して、新しい取り組みを進めることを期待したい。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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