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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

岡崎市運営による無料の経営相談所が、絶大なる成果を挙げている理由

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

 政府により地方創生が掲げられて久しいが、日本の総人口が減少するなか、東京都の人口は微増に向かうという予想を総務省統計局が発表するなど、東京一極集中の現状は今後も変わりそうにない。

 そのなかで、地域経済活性化の面で注目を集めているのが2013年にスタートした岡崎ビジネスサポートセンター、通称「OKa-Biz」だ。OKa-Bizとは、愛知県岡崎市と岡崎商工会議所が運営する市内外の中小企業事業者向けの経営相談所のことで、2008年に開設された静岡県富士市でスタートした富士市産業支援センター「f-Biz」をモデルに設立された。相談件数は開設4年目で当初の目標比の4倍以上となる2522件、予約は1カ月待ちとなることがあるなど大好評となっている。この“OKa-Biz旋風”の理由とはなんであろうか。立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に話を聞いた。

“マーケティング・オリエンテッド”で地元企業を支える

「地域活性化対策として、コンベンションホールやイベントスペースといったハコモノがよく建てられますが、期待通りの来場者を得られないことが多々あります。また、用途転換しようにも自治体管理だとその意思決定までに長期間を要するなど、これらの施策での飛躍的な地方活性化は難しいという現状があります。そこで必要とされているのが、地元企業への産業支援なのですが、従来のこれらのサービスでは自治体からの補助金申請のための書類作成指導や経理のための記帳指導などの“守りの支援”が主でした」(有馬氏)

 ところが、OKa-Bizは、センター長の秋元祥治氏の掲げるところの“攻めの支援”が売りになっているのがポイントだと有馬氏。

「秋元さんとしては、資金繰りなどの解決に結果としてつながるという考えから、企業の売上をアップさせることを強く意識してアドバイスをしているようです。OKa-Bizでは『きく』『みつける』『ささえる』という基本スタンスで相手の立場を理解し、売り場づくりや商品の組み合わせ方といった売れる仕組みをつくるための相談に臨んでいます。そして、『真のセールスポイントを生かす』『ターゲットを絞る』『売り方を提案する』『知ってもらう』というマーケティングの基本に忠実なコンサルが実施されているのです」(同)

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