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「ディズニーランドは人気があるので、羽田空港、成田空港からもバスがたくさん出ていて、バス会社にとってドル箱路線になっています。ハウステンボスにはそのようなバスが通ることもありません。創業社長となった神近氏は、大の博物館好き、美術館好きで、世界の博物館・美術館を見て回ると、どこも混んでいて集客力があると思って、美しい物を観賞するという観点からハウステンボスをつくったんです。バブルの時代でもあったので、建設費には2000億円くらいかけました。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の建設費が1800億円くらいです。だけど建設の最中でバブルが弾けて、完成していない建物もあるなかで開業。最初からドタバタだったんです。ところが日本のテーマパーク好きにとって必要な要素は、乗り物、ショー、パレード、キャラクターなんですよ。USJにもそれが揃っていますが、ハウステンボスはその点が弱いんですね。乗り物もほとんどないですし」
確かに「ミッキーやミニーに会いたい」と思うからこそ、多くの人々は何度もディズニーランドに足を運ぶ。ハリウッドのスキルを活かしたUSJのスリリングなショーもまた、何度も見たいと思えるものだ。
「先日、東京ビッグサイトで開催された『テーマパークEXPO2018』での発表によると、ハウステンボス客の約6割が九州の人、ディズニーランドも約6割が関東の人ということで、やっぱり近さで来てくれるんですね。そうすると、ディズニーランドの関東やUSJの関西と比べると、九州の人口が少ないということがあります。佐世保市の人口は25万人、長崎県で143万人です。東京と比べたら1桁違うわけです。
このような、ハウステンボスにとってどうしようもない前提条件の1つとして、長崎の雨の多さも挙げられます。現在のハウステンボスの澤田秀雄社長自身も、雨が降るとお客さんは3割減ると言っています。ハウステンボスは室内で楽しむものが少ない。オランダの街を再現した美しい街並みや風車に合うように、彩りの鮮やかな花の絨毯が広がっていますが、雨の日にそれを楽しむということにはなりません。こうしたさまざまなことを考え合わせると、これは私の考えた言葉ですけど“1回だけ需要”で終わってしまう。リピート客が生まれにくいのです」
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