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ウーバーイーツ異変の理由…注文から1時間後にキャンセル、配達まで長時間化

文=Business Journal編集部、協力=渡辺雅史/ライター
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「gettyimages」より

 ここ最近、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」で注文すると長時間待たされた上でキャンセルになったり、配達員が何人も変更になり到着までに1時間以上かかるケースが多発しているという報告がSNS上で相次いでいる。原因は何なのか。現役のウーバーイーツ配達員への取材も交えて追ってみたい。

 いまや社会インフラとなった感すらあるフードデリバリーサービスのウーバーイーツ。ウーバーの登場が国内でフードデリバリーが一気に普及する契機となったことは論を待たず、現在では出前館、Wolt、menuなど競合サービスも存在感を増しつつある。そんなウーバーイーツをめぐって最近、SNS上で以下のような事象の報告が相次いでる。

・注文したが途中でキャンセルになった
・配達員が何人も変更になり、到着までの待ち時間が長くなっている
・到着予定時間から1時間以上遅れて配達された
・注文して1時間以上待たされた挙句にキャンセルになった

 実際のところ、現場ではこのような事例は増えているのか。ライターでウーバーイーツ配達員の渡辺雅史氏はいう。

「おそらく以前に比べて増えていると思います。考えられる原因の一つとして、6~7月頃に東京エリアなどで行われたとみられる配達報酬算出のアルゴリズム変更が挙げられます。都内の場合、配達員が現在地から店舗まで料理を取りに行って注文者宅に届けるまでの合計距離が3kmだったとすると、配達報酬は320円ぐらいです。ですが最近、突然、報酬が2000~3000円台の注文が入るようになっているのです。これまでも雨の日や土日の注文が増える時間帯、配達員がつかまらないときなどに高額に跳ね上がることはありましたが、そのような条件になっているわけでもないのに、なぜか高額報酬の配達案件がちらほら出るようになっているんです。

 そのため、配達員が低い報酬の配達を断ったり、いったんは引き受けたものの報酬が安い割に距離が長いと感じてキャンセルしたりというケースが増えている可能性があります。基本的に配達報酬はずっと右肩下がりなので、安い案件も高い案件もまんべんなく受けていると時給換算の報酬が低くなってしまう。できるだけ高い報酬の案件を多くとろうとするのは当然です」

 このほか、気温が高温の日が続いていることが影響している可能性もあるという。

「この猛暑のなかで日中に自転車で配達をして回るのは危険なので、そもそも稼働している配達員の数が減っている可能性はあるでしょう。また、現在は配達員はヘルメットとマスクの着用が努力義務になっていますが、熱中症になる危険があるので着用していない配達員も多いなか、住人以外は建物内ではマスク未着用が禁止になっているマンションも増えており、『あのマンションはマスクをしていないとダメだから』という理由でキャンセルする配達員もいるでしょう。

 このほか、置き配が禁止のマンションも増えていますが、住人である注文者がそのルールを知らないためなのか置き配指定で注文を入れてくることもあり、普段からそのあたりを回っていて個々のマンションのルールを知っている配達員が、仕方なくキャンセルを入れるということもあります」

時給換算で1000円を切る

 ウーバーイーツの配達員の報酬が下がっているともいわれるが、その詳しい算出方法は非公開だ。公式サイトによれば、報酬は「基本金額」と「配達調整金額」で構成される。基本金額は「配達に費やす予定の時間、および商品の受け取り場所や届け先が複数あるかどうか」を基に算出され、注文数や稼働中の配達パートナーの人数によっても、この金額は変動する。配達調整金額は「通常の目安よりも交通状況が混雑している場合」「通常の目安よりも商品受け取り場所での待ち時間が長い場合」などに加算される場合がある。このほか、注文者からチップを獲得すると、その分が加算される。

 最近の報酬水準の動向について、前出・渡辺氏はいう。

「報酬は落ち続けています。自転車だと時給換算で1000円を切ることも珍しくなく、少し前までは2000円を超えていたバイクも落ちており、2000円を切る配達員もいるそうです。理由はよくわかりませんが、ウーバーイーツは配達料無料のキャンペーンやサブスクリプション型プランを展開しているので、そのしわ寄せが配達報酬に及んでいるのかもしれません。

 このほか、もしかするとタイミーの普及も影響しているかもしれません。たとえばマクドナルドはデリバリーにウーバーイーツなどの宅配サービスのほかにタイミーも使っていますが、タイミーは時給制なので配達数に関係なく固定の報酬が支払われますし、かつ即日払いなので、ウーバーイーツよりタイミーで働くほうがよいと考えて配達員が流れている可能性はあります」

(文=Business Journal編集部、協力=渡辺雅史/ライター)

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