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マック、客離れ&業績悪化招いた内部要因 本部と現場の意思不通、打開策が軒並み裏目

文=田沢良彦/経済ジャーナリスト
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 こうして客離れを助長するような事態が次々と生じてしまう要因について、マクドナルドOBは「現場知らずの本部独善主義にある」と指摘する。さらに同社店舗関係者は「カサノバ体制になってからは、本部が何を目指しているのかが現場に伝わってこない。現場は、経営方針について、メディア発表以上の情報を入手できていない」と不満を漏らす。

●本部と現場の「意思不通」

 そんな本部と現場の「意思不通」状態が招いたのが、8月に発覚した「料金過剰徴収問題」といえる。マクドナルドが8月18日から鶏肉を使った「マックウィング」と豆腐を使った「豆腐しんじょナゲット」を通常の約半額の120円に値下げしたところ、全3135店の82%に達する2583店が、それより30円高い150円で販売していた問題だ。

 マクドナルドは鶏肉事件を受け、売り上げが急減したため、その穴埋め策として上記2品目の値下げを決めた。ところが、値下げ価格は150円と120円の両案が対立し、すぐには決まらなかった。市場調査データをもとに本部で机上の空論を戦わせている間に値下げキャンペーン開始日が迫り、取りあえず両案の価格を本部から全店舗のレジへデータ伝送した。その後、値下げ価格が120円で決着したのはキャンペーン開始3日前の15日だったため、周知が徹底せず、18日になっても大半の店ではレジには150円で登録されていたのだ。

「本部は18日中に120円販売を全店に通知したと言っているが、店側での周知期間は実質2日。これで全国16万人の店員に周知できるわけがない」と、業界関係者は呆れる。

 また、あるFC店オーナーは「そもそもチキン系はこちらが勧めても客が買わない『ノーサンキューメニュー』。それを値下げで売ろうとキャンペーン商品にした。値下げの意図が客に見透かされている。在庫処分のつもりかもしれないが、本部の認識不足も甚だしい」と手厳しい。

 それだけではない。8月の既存店売上高が前年同月比25%減少になると発表した9月9日の記者会見で、マクドナルドは「客離れが底を打ち、好転の兆しが出ている」との認識を示し、「一体何を見ているのか」と記者や証券アナリストを呆れさせている。

●強まるカサノバ氏への風当たり

 カサノバ氏は10月7日の緊急記者会見で「価格、メニュー、店舗の3つに課題がある」と述べ、それぞれの改善策を示した。だが「示したのは方針だけ。これから具体化の叩き台となる市場調査に入り、10月末予定の調査結果を見てから具体策を検討する」(同社関係者)という悠長さ。証券アナリストは「本当にやる気があるのか」と、改善策を疑問視する。

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