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大塚家具、クーデター&崩壊の裏側 父娘が容赦ない潰し合い、創業家内も泥沼紛争

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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 しかし90年代以降デフレが続き、2000年代初頭からニトリやスウェーデンのIKEAなどの「ファーストファニチャー」が台頭。競争が激化し、大塚家具の経営は悪化。08年12月期には当期純利益で5億3000万円の赤字に転落、危機的状況に追い込まれた。業績悪化の中で09年3月、勝久氏は久美子氏へ社長職をバトンタッチし、代表取締役会長に就任。折しも創業40周年だった。

●過去を否定した久美子新社長

 勝久氏に代わって社長となった久美子氏は、一橋大学経済学部卒業後に富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行、融資業務や国際広報を担当し、94年には大塚家具に移り、経営企画室長兼営業部長、取締役経営企画室長兼営業管理部長、同総合企画部長兼営業管理部長、同総合企画部長兼経理部長、同商品本部長兼広報部長などを務め05年に同社を退任し、オフィスを効率的に活用するためのコンサルティングを行うクオリア・コンサルティングの代表取締役に就任した。

 そして07年には流通業界ではトップアナリストとして長い間評価された松岡真宏氏や、企業再生を得意とする弁護士・大西正一郎氏ら産業再生機構の中核メンバーが代表取締役を務め、経営支援やM&Aのアドバイザリー業務を行うフロンティアマネジメントの執行役員に就任。09年から再び大塚家具に戻り、代表取締役社長・営業本部長に就任した。久美子氏は大塚家具の抜本的な改革に取り組むことになる。
 
 しかし社長に就任した09年12月期には売上高を前年同期の668億300万円から579億2500万円と89億円近く落とし、営業利益14億5100万円の赤字、経常利益は13億3700万円の赤字に転落。当期純利益は14億9000万円の赤字と2期続けて赤字。翌年の10年12月期は569億1200万円とさらに10億円余りの売り上げがダウン。営業利益は約1億3200万円の赤字、当期純利益も2億5000万円の赤字となった。久美子氏はそれまでの会員制ビジネスモデルを見直し、販売員が顧客に店内で付きっきりで説明するスタイルからもっと気楽に入れる店づくりを目指した。

 そして11年12月期には11億5000万円の営業黒字、2億300万円の当期純利益の黒字を実現、12年からは北欧テイストの家具・インテリアのショッピングモールサイト「モルゲンマルケット」を開設、インターネットとリアルを連動、営業のテコ入れを行い、会員制の役割は価格のわかりやすさから顧客リレーションやサービスの強化へとシフトした。

 その後、12年12月期は営業利益11億8300万円、当期純利益6億4000万円、13年12月期は営業利益8億4300万円、当期純利益8億5600万円と黒字を続け、14年12月期第2四半期の決算では増収増益を実現した。

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