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8日の東京外国為替市場の円相場は、海外市場で1ドル=141円60銭まで急伸した流れを引き継ぎ、142円台半ばから144円台前半で乱高下する荒い値動きとなった。日銀がマイナス金利政策を早期に解除するとの思惑が市場で強まり、日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが進んだ。東京債券市場では長期金利が上昇し、東京株式市場の日経平均株価は円高を嫌って続落、下げ幅を一時、前日比650円超に広げた。
円相場は午後5時現在、144円09~10銭と前日同時刻と比べ1円62銭の円高・ドル安。東京市場の高値は142円49銭だった。
金融市場は、日銀の植田和男総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と7日の参院財政金融委員会で発言したことに反応。「日銀による(政策転換に向けた)地ならし」(邦銀)と受け止め、マイナス金利解除を含む大規模緩和策の出口が早まるとの思惑を強めている。市場では「日本の出口と米国の利下げが今後の焦点で、円高方向に動きやすい」(大手銀行関係者)との声があった。
8日の債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債(第372回債)の流通利回りは一時、前日比0.050%高い0.800%に上昇(価格は下落)した。株式市場では急速な円高を嫌った売りが優勢となり、日経平均の終値は550円45銭安の3万2307円86銭と続落。過去2日間で1100円以上、値下がりした。東証プライム市場銘柄の8割強が下落し、自動車株の値下がりが目立った。「円高で海外売上比率が高い業種の収益拡大シナリオに不透明感が出た」(国内証券)という。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/12/08-18:13)
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