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株価下落 後ろ盾は衰退 稲盛会長も退任 JALは再び沈む?

羽田発着枠優遇でANAの株価が急上昇 政局次第で逆転も

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post_1073.jpg両社の狙いが交錯する羽田。(「足成」より)
 全日本空輸(ANA)の株式時価総額が、日本航空(JAL)に急接近してきた。11月26日、ANAは6224億円である一方、JALは6419億円だった。JALは、再上場した直後の9月19日には7083億円だった。ANAは10月15日に、年初来の安値となる5415億円まで沈んだがその後持ち直した。コレを受けて、両社の時価総額が逆転するのも秒読み段階に入ったとの見方もある。

 羽田空港の国内線発着枠についてANAに手厚く配分されるという報道を受け、同社の株価は反発した。羽田の発着枠は1枠で年間20~30億円の収入を生み出す美味しい利権だ。だから航空各社は羽田の発着枠を「ドル箱」と呼ぶ。

 国土交通省は11月19日、年間2万回(1日25便)増える羽田空港の国内線発着枠の配分基準案を、有識者会議に提示した。過去5年間の地方路線の数や運航の安全性などを点数化し、それに応じて便数を振り分ける。

 同省案の最大のポイントは、10年に経営破綻したJALについて「破綻期間中は公的支援によって運航できた(された)」と位置付け、この期間のJALの実績をゼロとしたことだ。JALが企業再生にかかった期間は約800日のため、獲得した点数の4割程度が差し引かれることになる。ANAが採点でJALを大きく上回ることが確実となった。

 有識者会議では委員から「(国交省の案だとJALの)破綻期間中の努力の意味がなくなる(まったく評価されないことになる)」などの異論が続出した。委員長が「国交省の原案に賛成する人はいないのか」と発言を求めたが、誰からも手が挙がらなかった。

 国交省は当初、11月19日の会合で配分基準をとりまとめる予定だったが、有識者会議のメンバーと意見調整したうえで最終案の一部を修正。年内には具体的な便数を配分する。

 配分の対象となる25枠のうちスカイマーク、エア・ドウ、スカイネットアジア、スターフライヤーの新興航空4社が13枠の配分を受けるものとみられている。JAL、ANA向けは12枠。12枠の行方が焦点となる。

 国交省の配分基準案ではJALが大幅に減点されるため、ANAが8~9枠を獲得することになるだろう。JALは3~4枠にとどまることになる。

 JALの評価半減案が、有識者会議の議論を反映しない形で唐突に示されたため「政権交代を間近に控え、JALの再上場に批判的な自民党に、国交省が早くも秋波を送った」との見方が出た。羽田空港発着枠の争奪戦は、民主党と自民党との“政界代理戦争”の側面が大きかったからでもある。

 民主党シンパとして知られる稲盛和夫・名誉会長の下、公的資金投入を受けてピカピカの優良企業としてスピード再上場を果たしたJALは、民主党政権の数少ない政治的“手柄”と評価されている。これが面白くない自民党はJALへの手厚い公的支援に、批判的な姿勢をとり続けてきた。

BusinessJournal編集部

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