一方、この夏に野外でキャンプやバーベキューを楽しみ、太陽の下で飲むビールや、目の前で焼き上がる肉に「うまい!」とうなった人もいるだろう。不思議なことに、食事は環境が変わると、味やコミュニケーションも変わるものだ。
今回は、6月にアウトドアレシピ集『今井洋介の青空メシ』(辰巳出版)を上梓した今井洋介氏に、
・アウトドア料理の楽しみ方やコツ
・男の料理のこだわり
・料理が持つ、コミュニケーションの力
などについて聞いた。
アウトドア料理の楽しみ方
–今井さんにとって、アウトドア料理とはなんでしょうか?
今井洋介氏(以下、今井) アウトドア料理というと、難しいイメージを持つ人も多いようですが、実はそんなことはありません。開放感あふれる青空の下で、リラックスして手づくりの料理を食べる。それが、アウトドア料理の醍醐味です。そして、気が置けない仲間と一緒に、豪快に楽しく食べるのが僕の楽しみ方です。
外では道具や食材が限られるので、自然に工夫と知恵が生まれます。仮に忘れ物をしたとしても、別の物で代用するなど、不便な環境だからこそ、アイデアが湧いてくるのです。そうやって、楽しみながらトライ&エラーを繰り返すうちに、誰でもアウトドア料理がうまくなっていくのを感じることができると思います。
–著書には、肉、野菜、魚、燻製、デザートなど、全部で63品のレシピが掲載されていますが、一番のおすすめはなんでしょうか。
今井 どれもおすすめですが、一番つくることが多いのは「バターチキンカレー」です。これまで何度もつくり、いろいろな人に食べてもらってレシピを進化させてきた自信作です。バター、生クリーム、ヨーグルトをたっぷり使っているので、口当たりが滑らかで、どの世代にも人気です。
もちろん、このレシピ通りにつくらなくてもOKです。例えば、鶏手羽元は「半日ほど漬け込む」と書いてありますが、時間がなければ当日に漬けても大丈夫です。材料の水を、牛乳やココナッツミルクに替えてもおいしいと思います。特に、ココナッツミルクにするとエスニックな香りとコクがさらにアップするので、女性に好評です。
『今井洋介の青空メシ』 “ヨウさん”こと今井洋介の簡単だけど美味しく、楽しく、真っ赤な太陽と真っ青な空の下でいただく、とっておきのアウトドアレシピ集。キャンプやハイキングで使える、少ない材料と簡単な調理でおしゃれで超うまい一品料理、今注目の簡単燻製レシピなど、サクッと美味しいレシピをご紹介します。