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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

風邪に薬や病院は無意味?隠れた「怖い病気」を見逃して最悪事態の恐れ?

文=新見正則/医学博士、医師

 しかし、風邪でも抗生物質を処方されることがあります。それは、明らかな細菌感染をターゲットに処方する場合や、隠れた細菌感染を疑って処方する場合です。また、患者さんが抗生物質を強く希望するから致し方なく処方するといったケースもあります。

 お風呂に関しては、「気分がよければ就寝前のお風呂はオーケー」という医者が増えているようです。体を冷やすことは、感染症を退治するためにはマイナスに働きますので、その点を注意して入浴する必要があります。すると、「温かいものを食べて寝る」という常識君の主張は正しいです。また、マスクは人に風邪をうつさないためには有益で、また呼吸する空気に湿気を持たす効果もあります。

 結局、「いわゆる風邪」であればそれを退治する西洋薬はなく、辛い症状に合わせての対症療法の薬だけですので、あえて医者に行く必要はありません。

 ただ、「今までの風邪とはちょっと違う」「今まで以上に重症感がある」と思う時は遠慮せずに医者の判断を仰いでください。また、もしも漢方に抵抗がないのであれば、風邪の初期には漢方薬は有効です。漢方薬は体格や症状で薬が異なりますので、以前に同じ症状で有効であった漢方薬を書き留めておいたり、タンスにストックとしておくと安心です。そんな相談に医者を訪ねるのもいいですね。自然軽快したとわかるのは後からですよ。心配なら、専門家の意見を聞きに遠慮なく病院に行きましょう。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医師、新見正則医院院長

新見正則/医師、新見正則医院院長

外科専門医 /消化器病専門医 /消化器外科専門医 /消化器内視鏡専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、外科医として研鑽を積む。大学病院や関連病院で診療にあたるほか、英・オックスフォード大学にて博士課程を修了。
新見正則医院 公式サイト

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