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「例えば、その人が今までどんな生き方やどんな仕事をしてきたか、どんな趣味を楽しんできたか、などを聞き出してケアにつなげることです。『映画や音楽が好き』『庭いじりが好き』など、自分が好きなことや大事に思っていることについて話を聞いてもらえるというのは、認知症の人にとって、とてもうれしいことです。
その上で、本人が落ち着かない時には好きな歌手の音楽をかけてあげたり、カラオケを一緒に歌ったり、ダンスをする、畑仕事をするなど、本人が好きで得意とするアクティビティを生活に取り入れて生活支援をします。そうすることで、心身共に活性化され、イキイキとした暮らしができるようになるのです」(同)
ほかにも、週に3回程度は散歩に出かけるなど、体を動かすことも脳を活性化させ、症状の進行を抑える効果があるという。そして、なにより大切なのは、認知症の人が大事にしていることを尊重し、自分らしい生活ができるような環境を整えてあげることだという。
「家族のために何十年も料理をしてきた人に、『火が危ないから』といって台所に入れさせない、料理をさせないのは、生きがいを奪ってしまうことになります。そうではなく、優しく見守りながら、本人のできることをしてもらう。それが、そばにいる家族の配慮だと思います。認知症の人が自分の役割を持って生きられることが大切なのです。そのことが生きがいにつながるのです」(同)
ただし、「忘れる」「判断力の低下」といった、理性的な部分が失われていく認知症患者と向き合うことは、簡単なことではないはずだ。
「認知症特有の発言や行動が見られた時、病気だとわかっていても、受け止めることが難しい場合もあります。そうしたことが続くと、介護する側も疲弊してしまいます。介護する側のストレスを減らし、さまざまな症状に対応するためにも、デイサービスを利用する、時にはショートステイを活用するなどの福祉サービス・医療制度を上手に使い、家族で抱え込まないことが大切です」(同)
家族でのケアと公的サービスを組み合わせながら、認知症の人に寄り添った対応が必要のようだ。
(文=末吉陽子)
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