田中俊之「生きづらい中年男のための処方箋」

「ポジティブ=正しい」「なんでも美談」「無駄=悪」は間違い…人生を不幸にする!


田中 会社勤めをしている方々のなかには、特に目的意識もなく仕事をやっている人もいるでしょうが、「自分はこれにこだわる」と決めてやり続けることで、スキルや経験が蓄積されていきます。男爵の場合はそれがラジオで、もともと持っていたしゃべりの技術が向上したわけですね。

山田 たとえ週1回でもなんかしゃべっていれば、1年たったら50回近くになるわけですから、知らず知らずのうちに何かしらの蓄積はあると思います。僕は全然売れていないですし、自分に腕があるとも思えないですが、少なくともラジオをやっていなかったひぐち君よりは腕が上がったと思います(笑)。


山田「あまりポジティブを押しつけない」

山田 「ラジオは人を救う」ともいわれますが、僕の番組に関しては「救わない」とはっきり言っています。リスナーからのメールを紹介する「ラストメッセージ」のコーナーでは、悲惨なメッセージもたくさん届くのですが、「どんなにひどい話も笑い飛ばす」ということは心がけていますね。

田中 「不謹慎」といわれそうなことも笑いに変えたりして、世の中の風潮とは一線を画していますよね。だからこそ、たくさんのメールが届くのだと思います。

山田 あまり、ポジティブを押しつけないというのはありますね。大変な状況にいる人にとっては、逆に負担になってしまうので。

田中 人間って矛盾していたり、日によって気分が違ったりする。それが面白いところであり、誰にも紆余曲折があるのですが、最終的に「笑う」ということで浄化されている部分があると思います。何か言ってほしいわけじゃなくて、ただ聞いてほしいという人もいるじゃないですか。だから、「救わない」と宣言していることで、結果的に救いになっているのだと思います。

山田 みんな、分析して「ああだ、こうだ」って言いたがるんですよね。それも、ある意味で“マウンティング”のようなものだと思います。街中とか、仕事で地方に行った時に「がんばってください」と声をかけられることがあるんですが、売れていた時と今では微妙にニュアンスが変わってきていて、「本当にがんばってない奴に言う時の『がんばれ』やん」と思うんです。パチンコ店のお客さんに「がんばれよ」とか言われると、「絶対、俺のほうががんばってるわ」とちょっと腹が立つことすらあります。

 結局、そういうのもマウンティングだと思うんです。人に対して「応援してます!」「がんばってください!」と言うのって、気持ちいいんでしょうね。それに、「あんたのこと、理解してるで。理解できてる俺やで」ってことだから、ちょっと上から言われている空気を感じます。

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