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有毒な食品添加物も鶏の餌に
コンビニ廃棄食品からリサイクルされた飼料の問題点は、プラスチック成分(環境ホルモン)の含有だけではない。コンビニ食品に使われている食品添加物が、リサイクル飼料にも移行することだ。添加物の中でも特に問題なのが、コンビニの米飯類に炊飯改良剤として使われているグリシンである。
厚生労働省が実質的に監修している「食品添加物公定書解説書」に、グリシンの毒性に関する指摘が次のようにある。
「鶏(白色レグホン)に1日4グラム以上グリシンを経口投与すると、中毒症状を呈し、極度の疲憊、昏睡及び死亡が見られた。さらに、水分の排泄量は減少し、その窒素含量は4倍に増加し、プリン濃度も上昇した。腎臓は著しく萎縮している」
こんな毒性のあるグリシンを含有する餌を食べさせられる鶏は、悲劇的である。その鶏が産む卵を惣菜などに利用するというのだから、グリシンは濃縮されて人の口に入ることになる。
グリシンの毒性について「食品添加物公定書解説書」は、「モルモットに大量に与えると、右回りの円運動を行い、死に至る。ラットの飼料に10%添加すると、発育の遅れ、クレアチニン尿症状、白血球の減少が見られる」と報告している。
コンビニ廃棄食品を飼料にリサイクルし、鶏に与えるのなら、少なくとも包装されているプラスチック類の完全除去と、コンビニ食品へのグリシン添加をやめるべきだ。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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