片付けられない人は、片付け始める“前”に原因があった!まず理想&目的を視覚化せよ!
片付けられないと嘆く方の多くは、片付けのステップをその通りにやらずに、自己流にしてしまうことも敗因の一つかもしれません。「全部出すの面倒くさいよな〜、それよりも100均行って収納グッズ買ってこよう〜♪」といった感じです。
片付けの3ステップは、
1.選ぶ
2.収める
3.維持する
です。
しかし、その行動の3ステップの前にやっておきたいことがあるのです。「考える」ことが大切。これが片付けのモチベーション維持につながり、行動しやすくするのです。
「理想の暮らしはどんな状態なのか?」
考えておくべきことのまずひとつ目は、
「どんな暮らしがしたいか?」
「片付けた後、どうなったら自分自身が、家族が心地よいのか?」
ということです。
「片付けに追われることなく、休日は気兼ねなく家族と出かけたい」
「子供が自分で自分の支度をできるようになってほしい」
「夫が自分で簡単な食事の支度をできるようになってほしい」
「旅行から帰ってきて、すぐに片付けが終わるよう仕組み化したい」
「モデルルームのような素敵なインテリアと、何も外に出ていない状況を手にしたい」
片付けられるようになることが重要なのではなく、その先の暮らしを豊かにすることです。片付けたい理由や、その後の希望というのは、家ごとに違いますから、まずは願望をしっかりと明確にすること。
例えば前述の「子供が自分で自分の支度をできるようになってほしい」では、子供のものが子供の目線上にあり出し入れがスムーズで難しくないことが大切。よくいる場所にランドセルラックを置いたり、目につくところにおもちゃ収納を用意する必要があるため、見た目よりも機能を優先させねばなりません。
ですが、「モデルルームのような素敵なインテリアと、何も外に出ていない状況を手にしたい」ならば、今ある収納の中にものが収まるべく、ものの数を思い切って減らし、多少の手間があっても収納の中に適切に収める必要があります。多少手間があってもビジュアル優先になるわけです。
というように、片付けと一言で言っても「理想の暮らしはどんな状態なのか?」を明確にすることが重要です。
脳内質問
また、2つ目は「今、自分が何に困っているのか」を理解すること。SNSや収納の本で見た素敵な収納を真似しても、そもそもの自分の悩みが解決しなければ生活は楽にはなりません。まずは自分のストレスに耳を傾けることから始めましょう。
「何に困っている?」
「何にストレスを感じている?」
「キッチンの作業スペースがない。それはなぜ?」
「作業スペースに出しっぱなしのものが多いから。ではどうしたらいい?」
「キッチンの他のスペースにそれらを入れる場所をつくる必要がある。ではどうしたらいい?」
「今あるものを2割減らして、出しっぱなしのものをしまえるようにする! いつまでに?」
「今月末に友達を家に招きたいからそれまでに」
こうした脳内質問が必要なのです。この脳内質問は、できれば紙に書いて視覚化してください。その前に各所の写真を撮ることをお勧めします。写真を撮ることで客観的に見ることができます。
1.なぜ片付けたいのか? 片付けた後、手に入れたいことは何か?
2.何に困っているのか? ストレスを感じているのか?
3.ではどうしたら良いか?(解決方法)
4.そのために何ができるか?(行動計画)
5.これらをいつまでにやるのか?(スケジューリング)
2〜5は各部屋、各収納スペースに置いて事前に考えておきましょう。場合によってはそこを一緒に使うご家族にもヒアリングをしてみてください。
この写真撮影と片付け脳内質問をすることで、頭の中の整理ができて行動に移りやすくなったり、プロに頼むつもりでいたが自分でできた! という声もあります。ぜひ、この“考える”をばかにすることなくやって見てください。こうすることによって、次なる行動がしやすくなり、時間短縮にもつながります!
次回は行動の3ステップに入っていきます。お楽しみに。
(文=鈴木尚子/SMART STORAGE代表取締役、マスターライフオーガナイザー)