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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

ウコンなど「飲む前に飲む」系飲料の危険な副作用…知らぬ間に肝硬変や肝臓がんに

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
ウコンなど「飲む前に飲む」系飲料の危険な副作用…知らぬ間に肝硬変や肝臓がんにの画像1「Thinkstock」より

 忘年会にクリスマス、そして年が明けて新年会。いよいよ飲み会シーズン突入ですね。宴会前にコンビニエンスストアに立ち寄り、ウコン飲料やウコンサプリなどを購入し、「飲む前に飲む」姿もよく見かけます。

 二日酔いや肝臓に良いという口コミが広がって、いつの間にか「飲み会の強い味方」となったウコン。その認知度とは逆に、ウコンの副作用についてはあまり知られていません。特に肝臓に不安のある方は副作用をしっかり理解して、「飲む前に飲む」を過信しないようにしてください。

ウコンって何?

 ウコン飲料はすっかりお馴染みですがウコンがどんな物かを知っている方は少ないのではないでしょうか。「木の実」のように思っている方も多いようです。

 ウコンは、もともと東南アジアに自生していた植物です。ショウガ科ウコン属の植物で、見た目もショウガによく似ています。利用されているのは根の部分ですが、割ってみると鮮やかな黄色をしていて、ショウガより苦味が強いのも特徴的です。代表的な産地としては、インドやミャンマーなどです。高温多湿を好み、日本では主に沖縄や九州で栽培されています。

 沖縄では、昔から「ウコンは健康に良い」とされ、お茶として飲んだり、料理に使ったり、日常的に利用されていたようです。祭りなどで、泡盛などお酒をたくさん飲み交わすときには、祭りの前にウコンを飲む習慣があったようですが、一方で「妊婦にウコンを飲ませると流産の危険がある」ともいわれていました。

ウコンが二日酔いに効く理由

 ウコンが二日酔いに効くといわれているのは、ウコンが肝臓の機能を助けるからですが、これはウコンに含まれる「クルクミン」という成分によるものです。

 ウコンの黄色は、色素成分であるクルクミンを含むためです。このクルクミンは着色料としても使われていて、ターメリックとも呼ばれています。カレーの黄色は、このターメリックがスパイスとして入っているからです。

 クルクミンには、胆汁の分泌を促す効果があり、これが肝細胞を刺激し、肝臓の働きがより活発になります。

 飲み会の前にウコンを飲む最大の理由は、二日酔いを防ぐためですね。二日酔いは、「アセトアルデヒド」が体内に残ってしまうことで起こります。体内に入ったアルコールは、まず、アルコール脱水素酵素の働きでアセトアルデヒドに分解されます。次に、アセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解され、さらに水と二酸化炭素に分解されて体の外へ排出されます。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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