缶コーヒーや野菜ジュースは危険?激しい睡魔や疲労感、糖尿病やメタボのリスクも

野菜ジュースの飲みすぎで糖尿病の危険も

――仕事の合間にお菓子をつまむ……という人も多いと思いますが、どうすればいいのでしょうか?

姫野 チョコの代わりにナッツやチーズ、缶コーヒーの代わりに牛乳や豆乳を選べば、セロトニンの原料であるアミノ酸=たんぱく質を多く摂取することができます。また、集中力の低下や疲労感はビタミンB群不足の可能性が高いため、ランチなどで肉や魚を食べることを意識すれば、たんぱく質とともにビタミンB群も豊富に摂ることができるので“燃費”のいい体になります。

 逆に、「ラーメン大盛りにご飯、デザートにシュークリーム」などは糖質過多になるため、食後30分~2時間ぐらいで強い眠気に襲われるのは当然です。午後に大事な会議やプレゼンを控えているときは、麺類や丼ものなど単品メニューを避け、定食を頼んでご飯抜きにするのがベストです。

 そういう意味では、クッキーやせんべいよりもビーフジャーキーやするめのほうが脳にとってはいい間食といえます。小腹が空いてコンビニで何か買うときは、お菓子よりおつまみのコーナーにあるものを選んだほうが賢明です。

 また、「野菜不足を補うために野菜ジュースを飲む」というのは、逆に体にとって害になります。本書に詳述してありますが、野菜ジュースは食物繊維が分解されてしまう上に糖質が多く含まれています。果物が入っているものも多いですが、果糖は吸収が速く内臓脂肪を増やすため、飲み続けることでメタボリックシンドロームや糖尿病になりやすくなってしまうのです。ビタミン補給としても不足しており、「お菓子を食べるよりはまし」というレベルです。

砂糖をやめたらパニック障害が治った男性

――著書の中では、「砂糖の摂りすぎはメンタルにも影響を与える」と指摘していますね。

姫野 先ほど述べたセロトニンが不足すると、イライラしたり、不安感や疲労感が強くなったりします。また、血糖値を上げる際に分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンのホルモンによって、怒りや攻撃性が高まり、恐怖や抑うつを感じやすくなるのです。私のクリニックでは、精神的な症状で受診した患者さん400人のうち360人に「機能性低血糖症」(血糖調節異常)が見られたというデータがあります。

 あるパニック障害の男性(40歳)は、朝起きると体がだるく憂鬱で、通勤電車の中で動悸や息切れを繰り返すために会社に行けなくなっていました。その男性は、不安になると缶コーヒーを飲むため1日3~5本も消費、気分を落ち着かせるために毎朝キャンディを口にしていたそうです。そこで、薬による治療は継続しながら、「砂糖を一切摂らない」ことを徹底してもらいました。すると、どんなに薬を飲んでも改善しなかったのに、砂糖断ちをしてしばらくたつと、笑顔で「会社に行けるようになりました」と元気な姿を見せてくれたのです。

 このように、パニック障害やうつ病を抱える患者さんの中には、実は低血糖症の人が多くいます。私は、うつ病は「脳の代謝異常と炎症である」と言っていますが、精神的な疾患も食生活である程度改善することができます。

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