ニトリ、購入者から不満続出の日用品5選…冷凍肉を切ると割れる包丁、蓋が閉まらない鍋

　リーズナブルな価格と消費者の暮らしに寄り添った商品展開で、業界内で押しも押されもせぬ地位を築いているインテリアの小売メーカー「ニトリ」。現在、33期連続で増収増益を続けており、その経営スタイルが話題になることも少なくない。

“町から人が消えた”ともいわれた新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下でも、その好調ぶりは群を抜いており、ニトリホールディングスが発表した2020年3～5月期の決算公告によると、売上高は前年同期3.9％増の1737億円。営業利益は22.3％アップし、372億円を記録。巣篭もり需要の高まりが数字となって現れた結果だろう。

　そんなニトリは近年、雑貨の販売を専門とした店舗「DECO HOME」を都市部に出店しており、ますます雑貨が注目されやすくなっている。その雑貨の多くが「お、値段以上」というキャッチコピーをまさに体現した、安価でありながら機能性に優れたものだが、なかには評判が芳しくない商品もある。

　そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」がニトリのこの秋買ってはいけない商品を徹底リサーチ。要注意の5商品を紹介するので、ぜひお買い物の参考に役立ててほしい。

セラミック三徳包丁（WH）／1989円（税込、以下同）

　本格的なキッチン用品も充実しているニトリ。しかし、包丁のジャンルに焦点を当てると、「オールステン　三徳包丁（ダマスカス）」（5083円）など評判の良い商品もあるが、全体的にはあまり評価が良くない。なかでも、一際悪い評判が目立っていたのが「セラミック三徳包丁（WH）」だ。

　その名の通りセラミック製の三徳包丁で、刃が錆びにくいことで切れ味が長持ちするという触れ込みの商品だが、実際はそもそもの切れ味がイマイチ。

　また、切れ味が悪いだけでなく、「冷凍の肉を切ったら、刃が割れました」というレビューも見受けられる。セラミックは錆びにくいなどのメリットはあるが、衝撃に弱く欠けやすい性質があるので、それが原因かもしれない。少なくとも切れ味が良ければまた違うのだが、欠ける上に切れ味も悪いのでは、素直にスレンレス製のものを選んだほうが吉だろう。

ケーブルボックス ブレッタ（ホワイト）／1017円

　今年はなにかと家で過ごす機会が増え、これまで気にしていなかった配線のゴチャつきも目がつくようになってきたという人も少なくないだろう。そんな時に役立ってくれるのが、配線を整理してくれるケーブルボックスだが、ニトリの「ケーブルボックス ブレッタ（ホワイト）」の評判はあまり芳しくない。

　というのも、この商品は紙製なので、どうしてもおしゃれな雰囲気や重厚感を出すのが難しくなってしまうのである。その素材感が災いしてか、多くのユーザーが口を揃えて「つくりが安っぽい」ことを指摘しており、なかには「子供の工作のよう」と痛烈に批判する声もある。

　とにもかくにも、配線がスッキリ整えば見栄えにこだわらないという方にとっては大した問題ではないだろうが、インテリアにこだわりがある方にとっては満足のいく商品ではないのかもしれない。

IH雪平鍋 18cm（アーリー）／916円

　食欲の秋には、心なしか普段以上に自炊する気も湧いてくる。このタイミングで調理器具の買い替えを検討している人にとって、ニトリのキッチン用品売り場は目移りするほど豊富な調理器具が揃っているため、うってつけである。だが、そこで「IH雪平鍋 18cm（アーリー）」を手に取るのはおすすめしない。

　IHにもガス火にも対応しており、内面には食材がこびりつきにくいようフッ素樹脂加工が施されているというこの商品。これだけ聞くと良さそうなものだが、公式サイトの口コミを見ると、「縁が歪んでいて、一緒に買った蓋をすると隙間ができる」「IH表示があるのに（IHで）使えなかった」「ほんとに安っぽい作り」「お値段以下」など厳しい声が並ぶ。

　実際に購入してみたところ、確かに縁が歪んでいた。しかも、公式サイトの写真では歪んでいないはずのところも凹んでいたため、ちょっとした衝撃でも変形してしまいやすいのかもしれない。ちなみに、IHコンロで試したところ、正常に使用できたので、個体差があるのかもしれないが、少々の安っぽさは否定できない。ニトリにはこの商品以外にも、フライパンや鍋が数多く用意されているので、ほかの商品を検討することをおすすめしたい。

洗濯用パラソルハンガー（NW PH-8383）／513円

　清々しい秋晴れの日には、溜め込んだ衣服や下着を一気に洗濯してしまいたいもの。ニトリの「洗濯用パラソルハンガー（NW PH-8383）」は細々した大量の洗濯物を干したいときに活躍してくれる商品。いたってシンプルなパラソルハンガーで、価格も513円とお手頃だ。

　だが、5件の口コミがついた公式サイトのレビュー欄での評価は星2.4。レビューを見ていくと、「幅が短い」「洗濯物がすぐ外れる」「ハンガーの間隔が狭すぎて乾かない」など不満の声がいくつもあった。

　実際に使ってみたところ、幅の長さや感覚の狭さはさほど気にならなかったが、洗濯物が落ちないように引っ掛けておくクリップのようなところが少し弱いように感じられた。クリップにはさんで干していた洗濯物はいつの間にか滑り落ちており、風が吹くとベランダから地上へ落下してしまうところだった。なにかと評判が良くないこの商品、避けたほうがいいのかもしれない。

スタッキングできるマグカップ DAY Value／203円

　最後に紹介するのは、“買ってはいけない”というほどではないが、買うにあたって少し注意していただきたい商品だ。ニトリの「スタッキングできるマグカップ DAY Value」は、同じ商品なら綺麗に重ねてスタッキングできるというのが魅力の商品。使いやすく、シンプルなマグカップなのだが、一部からは気になる声も聞こえてくる。

　公式サイトのレビュー欄を見てみると、3件中2件が「想像していたより大きかった」ことを指摘している。なかには、重さもイメージ以上だと感じた人もいるようだ。

　実際に購入してみると、確かに公式サイトの写真のイメージ以上にしっかりしたつくりで、重さも大きさもなかなかのもの。ニトリのマグカップのなかで「シンプルで使いやすい」と好評の「マグ（HL474870）」（101円）が幅10.9×奥行き8cmなのに対し、こちらは幅12×奥行き9cmと一回り大きいのだ。店頭で見かけて購入する分には問題ないだろうが、通販で購入すると写真から受けるイメージとのギャップを感じてしまうかもしれない。

　今回は、ニトリの「この秋買ってはいけない商品」を5品紹介した。もちろん、今回取り上げたような評判が芳しくないのはかなりレアケースで、ニトリの店頭に並んでいる商品のほとんどは高コストパフォーマンスな物ばかり。ニトリの「この秋買うべき商品」の記事では魅力的な商品を紹介しているので、併せてチェックしていただければ幸いである。
（文・取材＝「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio）

※2020年9月中旬時点の情報です。