言わずと知れたドラッグストアチェーン大手のマツモトキヨシ、通称“マツキヨ”。グループ全体では国内47都道府県すべてに出店しており、今年6月末時点で1726もの店舗を構えている。
だが、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行や、梅雨が長引いた影響などもあって苦戦しており、7月の既存店売上高は前年同月比で-10.5%となっている。来年10月のココカラファインとの経営統合で業界首位に返り咲くといわれているが、それまでにどれだけ巻き返すことができるのか、今後も目が離せないところだ。
そんなマツキヨでは、医薬品だけでなく化粧品や日用品、食品などが店頭に並んでおり、PB(プライベートブランド)の「matsukiyo」からもトイレットペーパーやエナジードリンク、プロテインなど多彩な商品が発売されている。その多くはユーザーに支持されている商品だが、なかには不評を買っているアイテムがあるのもまた事実。
そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は数あるmatsukiyo商品のなかから、「この秋に買ってはいけない商品」をリサーチし、5つセレクトした。あくまで調査班の独断でピックアップしたものではあるが、買い物の際に参考にしていただければ幸いである。
キズテープ 100枚/198円(税抜、以下同)
秋は“食欲の秋”と呼ばれているように、さつまいもや梨、きのこなど多くの食材が旬を迎える季節。普段はあまり台所に立たないという方でも、秋の味覚を自ら調理して堪能する機会があるかもしれない。そんなときに起こりがちなのが、包丁などで誤って指先を切ってしまい、怪我をしてしまうことだ。
不意の怪我で役立つ絆創膏はmatsukiyoの商品のなかにもラインナップされていて、「キズテープ 100枚」もそのひとつ。この商品は水仕事や入浴の最中につけていても取れないほどの優れた粘着力を持つが、それゆえに剥がしづらく、剥がしたあとも粘着剤のベタベタとした感触が残ってしまうのだ。
さらに、剥離紙が短いため患部に正確に貼りづらいという問題点もある。安いのは間違いないが、別のメーカーやブランドの商品の購入をオススメしたいところだ。
99%除菌 流せるトイレクリーナー 20枚×2P/184円
大掃除の時期は一般的には年末とされているが、最近では寒さが厳しい冬よりも、過ごしやすい気候の秋に済ませるという考え方も広まっている。本格的に掃除するとまでいかなくても、身近なところの掃除を早め早めに取り組み、冬の大掃除を楽にするというのも賢明だろう。
「99%除菌 流せるトイレクリーナー 20枚×2P」は、その名のとおりトイレ掃除用のアイテム。便座や便器の汚れを綺麗に拭き取れるだけでなく、使用後にトイレに流すことができるため、後始末が簡単で衛生的な商品でもある。
一見すると非常に便利なアイテムだが、取り出すときに破けてしまうことがあるほど、耐久性に大きな問題を抱えているのである。184円で合計40枚入りというコスパの高さは魅力的だが、使う前から破けてしまうようでは意味がない。丈夫さを求めるのであれば、別のメーカーの商品を購入することを検討するべきだ。
カーペットクリーナー すじ入り替 90シート×3巻入/258円
部屋の隅に溜まった埃や、床に落ちている髪の毛やペットの毛などの小さなゴミは、掃除機を引っ張り出して吸い取るには気が重いが、一度気になると見て見ぬふりができないから厄介である。そんな小さなゴミを掃除する場面で便利なのが“コロコロ”という愛称で呼ばれることが多い、粘着テープを使ったクリーナーだ。
「カーペットクリーナー すじ入り替 90シート×3巻入」は、そういったクリーナーのスペアテープ。埃や髪の毛などをしっかりと吸着してくれるため、清掃能力自体は優れているのだが、テープが切り取りづらいため利便性に難がある。
テープにはカットがしやすいようにスリットが入っているのだが、あまり目立たないためゴミを吸着したあとでは見つけづらい。さらに、スリットからめくってもテープ自体にミシン目が入っていないため、切り取るのにも一苦労だ。使用する頻度が高ければ高いほどストレスになるはずので、普段からクリーナーをガッツリ使いたい方は買い控えるべきだろう。
ナイロンボディタオル ふつう 1枚入り/198円
暑い夏が過ぎ、徐々に肌寒くなる秋は、入浴の時間が長くなるという方も多いことだろう。本格的な寒さが到来する冬に備えるという意味でも、秋のうちにバス用品を揃えて充実したバスタイムを過ごしたいものである。
「ナイロンボディタオル ふつう 1枚入り」は、極細繊維の66ナイロンでつくられたボディタオルで、泡立ちが良く水切れに優れた商品だ。しかし、感触が柔らかすぎるという点が指摘されており、個人の好みによって評価が分かれるかもしれない。
実際に使用してみたところ、どんなに力を入れて体を擦っても柔らかい感触のままだったため、“体を洗っている”という実感が得られず、少々残念な気がした。泡立ちや水切れについてはまったく問題なかったので、肌が痛まないように優しく洗いたい方にとっては素晴らしい商品だろうが、逆にガシガシと洗いたい派の方には物足りなく感じられるだろう。
薬用地肌ケアシャンプー リンスインタイプ詰替 380ml詰替/230円
“髪は女の命”と昔からいわれるが、男性にとってもヘアケアは身だしなみや髪の悩みを解決するために重要なことだ。そのため、自分の髪質や頭皮と相性が良く、求めている効果が得られるようなシャンプーを選ぶべきだろう。
matsukiyoからも、「薬用地肌ケアシャンプー リンスインタイプ詰替 380ml詰替」というシャンプーが発売されている。このシャンプーは地肌や髪と同じ弱酸性のため体に優しいことが特徴だが、髪の毛の洗い上がりに難点があるのだ。
この商品はリンスインタイプとなっているため、髪の毛を補修・保湿する成分が入っているはずだが、実際に使ってみたところそのような効果は感じられず、髪の毛がパサついているような感覚を覚えた。シャンプーと割り切って使用するならともかく、リンス効果も期待したいのであれば、やはり別途でリンスは購入したほうがいいかもしれない。
基本的には優れた品質やコスパを実現させたアイテムが取り揃えられているmatsukiyoだが、今回紹介した5品のように、何も知らずに購入すると“安物買いの銭失い”となってしまうような商品もある。どのような場面でも、買うものは慎重に選びたいところだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※2020年9月中旬時点の情報です。