1日に5回点眼するとして、50µlは0.05mlなので、1日の消費量は0.05ml×2(両目)×5回で0.5mlとなります。12ml入りの目薬であれば24日、15ml入りの目薬でも30日で使い切ることになります。
1カ月というのは厳密に決められた期限ではないため、数カ月たっていても問題なく使用できることもあるでしょう。しかし、開封から数カ月経過した目薬を使用した結果、「激痛に襲われた」「雑菌が入り感染症を起こした」といった問題も起きています。見た目でわからなくても、内溶液が汚染されている場合もありますので、使用期限は「開封から1カ月」と覚えておいたほうがよいでしょう。
保管方法
Q. 目薬の保管の仕方は?
A.「目薬は冷蔵庫で保管しなければならない」と思っている方も多くいらっしゃるようですが、目薬のなかには冷蔵庫で保管すると成分が結晶化してしまうため、冷蔵庫での保管を禁止しているものもあります。
基本的には、市販の目薬には防腐剤も添加されており、室温(1~30度程度)で保存することが可能となっています。ただし、しっかりとフタをしめた状態で保存することが条件です。また、目薬の取り扱い方(先端がまつ毛に触れてしまう等)によって雑菌が混入することもあるので、絶対に菌が繁殖しないとはいえません。
目薬の種類によっては、「冷所で保存」とされているものもあるので、その場合には冷蔵庫で保存をする必要があります。
さらに、目薬によっては遮光袋に入れ、光を避けて保存しなければならないものもあります。遮光の義務がないものでも、直射日光が当たる場所での保管は避けてください。自動車の中や暖房が当たる場所など、温度の高くなる場所も避けましょう。お使いの目薬の保存の仕方がわからない場合は、薬剤師にご相談ください。
妊婦が使ってはいけない目薬
Q.妊娠中に目薬を使っても大丈夫?
A.市販されている目薬に関しては、妊婦さんにも問題なく使っていただけるものがほとんどです。目という局所的な部分に働きかけるので、飲み薬ほど心配する必要はありませんが、「プラノプロフェン」という成分が入っている目薬は使用しないようにしてください。プラノプロフェンは、炎症の原因物質プロスタグランジンの生成を抑制して炎症を抑える成分で、市販の目薬にも配合されていることがあります。この成分が含まれる目薬の添付文書には「妊婦または妊娠していると思われる人」について、使用しないよう記載されています。妊娠されている方が薬局で市販の目薬を買う場合には、薬剤師に相談してから購入するようにしましょう。