「体内静電気」が抜けるからスッキリする
『はだしで大地に立つと病気が治る』
別の観点ではだしの健康効果を語るのは、『はだしで大地に立つと病気が治る』(マキノ出版)の著者である堀泰典博士である。堀博士は、医学・歯学・薬学の3つの博士号を持つ「ドクタースリー」。昭和大学医学部の客員教授も務めていた。
はだしで地面に立つと「体内静電気」が抜けて、病気の予防や改善につながる――と堀博士は語る。体内静電気とは、体の中にたまる静電気だという。細胞レベルに帯電し、血液の成分である赤血球どうしをくっつけて血流を悪くするなど、さまざまなトラブルを招くそうだ。
人体と地面を比べると、電気は人体よりも地面のほうが流れやすい。そのため、はだしで地面に立つ、つまり足の裏を地面と接触させることで、体内静電気は人体から地面に抜けていくというのだ。
「体内静電気は、電圧の高いほうから低いほうに流れます。地面は『アース』ともいわれるように、電圧がゼロの状態に保たれています。たとえば、体内に電子が多くたまり体がマイナスに帯電している場合は地球に電子が流れ、逆に体内に電子が少なくプラスに帯電している場合には地球から電子が体内に流れ込んでプラスマイナス0にしようとするのです。靴底に使われているゴムは、電気を通さない完全な絶縁体です。これを履いている限り、体内静電気はまったく抜けません」と堀博士は語る。
「海辺で砂浜を歩いた後、体が軽くなってスッキリした気分になりますよね。これは体内静電気がキャンセルされるからなんです。体内静電気はあっという間に流れますから、はだしで地面に立つのは1~2秒でかまいません。長時間続けるよりも、1日の中で行う回数を増やすほうが重要です」
はだしで走ったり、地面に立ったりするだけならば、お金はまったくかからない。ますます暑くなってくるこれからの季節に、まさにぴったりの健康法だ。
最近では、子どもだけでなく大人でも、公園などをはだしで走ったり歩いたりする人を見かけるようになってきた。思い切って窮屈な靴と靴下を脱ぎ捨てて、はだしの心地よさを味わってみたらどうだろうか。
(取材・文=森 真希)
堀泰典(ほり・やすのり)
1956年、三重県生まれ。80年、岐阜歯科大学(現・朝日大学)卒業。97年に昭和大学医学博士、2005年に明海大学歯学博士、07年に昭和大学薬学博士。医学・歯学・ 薬学の3つの博士号を持つ「ドクタースリー」。歯科医師時代には、筋肉の反射や筋肉をゆるめることによる顎関節症の治療で注目される。独自の理論と方法で難病の治療に取り組み、奇跡的といわれる結果を数多く導いてきた。現在も、多くの人を健康にするために、「体内静電気」をはじめとした唯一無二の理論にもとづく研究開発に取り組んでいる。
森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。