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コーヒーを飲むと死亡率が低下すると判明…カフェイン中毒のリスクを避ける賢い飲み方

文=森真希
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カフェインが循環器・呼吸器機能を改善?

 日本でも、国立がん研究センターが「習慣的コーヒー摂取」と全死亡・主要死因死亡との関連を調べている。結果として、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、まったく飲まない人に比べて24%低いことがわかった。さらに、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められた。

 どうしてコーヒーを摂取すると、死亡リスクの低下が見られたのか。国立がん研究センターの研究グループは次のように考察している。

(1)コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善し、血圧を調整する効果がある上に、抗炎症作用があるといわれている
(2)コーヒーに含まれるカフェインが血管内皮の機能を改善する効果があるとされている
(3)カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかといわれている

 このような考察から、カフェインの薬理作用が死亡リスクの低下に役立っていると推測できる。

 ヨーロッパで盛んにコーヒーが飲まれるようになったのは17~18世紀といわれている。長年、人々に愛飲されてきたのだから、コーヒーが健康に悪いわけがないのだ。眠気覚ましのためにカフェインを多量に含む眠気防止薬と一緒にがぶ飲みするようなことはやめて、芳醇な香りと味わいを楽しみながらコーヒーを飲んでほしい。

 眠気が強いときには、コーヒーをカップ1杯飲んでから仮眠を取ろう。コーヒーを飲んだ20~30分後に、カフェインの血中濃度が最大になるため、スッキリと起きられるはずだ。眠気を我慢して仕事や勉強を続けるよりも、はるかに能率も健康度もアップするだろう。
(文=森真希)

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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