食品の包装などに「加工デンプン」と表示されているのを最近よく見かけます。この加工デンプンは合成デンプンで、みなさんも毎日食べているものですが、実は合成添加物であることはあまり知られていません。
デンプンとは、太陽の光を利用して植物が光合成によりつくり出す物質です。いわば「太陽からの贈り物」であり、我々人類が生存するために必要で貴重な食糧です。
一方、加工デンプンとは、天然のデンプンにさまざまな化学薬品を混ぜ合わせて化学反応を起こし製造したものです。ですから、加工デンプンはれっきとした合成化学物質であり、合成添加物なのです。つまり合成保存料、合成着色料と同じ類のものです。
加工デンプンには、どのようなものがあるのか
加工デンプンには、次の12種類があります。
・アセチル化アジピン酸架橋デンプン
・アセチル化リン酸架橋デンプン
・アセチル化酸化デンプン
・オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
・酢酸デンプン
・酸化デンプン
・ヒドロキシプロピルデンプン
・ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン
・リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
・リン酸化デンプン
・リン酸架橋デンプン
・デンプングリコール酸ナトリウム
あえてややこしい物質名を列記した理由は、これらの名前を見ていただいて、加工デンプンが合成化学物質であるということをご理解いただくためです。加工デンプンはパン類、麺類、タレ類から大福もちまで、あらゆる食品に添加されております。しかも、数%も添加されている食品もあります。
どの加工デンプンを添加していても、「加工デンプン」「加工でん粉」とだけ表示しておけばよいのです。タレ類では「乳化剤」と表示している場合もあります。添加量の制限はないため、あらゆる食品に無制限に使用できます。
こうして、無意識のうちに体に入り込んでくる可能性のある添加物について、基礎的なことは知っておくべきでしょう。
(文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問)