秋から冬にかけては「水虫の季節」でもある(参考:女性はサンダルからブーツに替わる秋こそ「水虫」に注意!一方で水虫治療のチャンスの時期でも)。
水虫は「白癬菌」というカビが起こす皮膚疾患だ。「虫」という名前から動き回る虫を連想しがちだが、「菌類」なので、キノコなどを思い描いたほうがわかりやすい。胞子の状態から菌糸を伸ばして増殖していく。
胞子が皮膚につくだけなら、なんの問題も起こらない。実際に、どこにでもいる常在菌なので、皮膚につくことを避けることは難しい。それより、「ついた胞子が根付かないようにする」ことが大事だ。
根を出すまでに必要な時間は、およそ24時間。つまり、1日に1回、確実に胞子を洗い流しさえすれば、菌は根付かず水虫にならないということになる。これなら簡単に実行できそうだ。
菌を洗い流すには、特別な物を使う必要はない。普通の石鹸で、丁寧に足の指の股まで、しっかり洗えばいい。手を洗うのと同じだ。そして、水でしっかりと洗い流そう。
タワシでゴシゴシと洗うと水虫に
だが、注意すべきことがひとつある。たとえば、土の上に置いただけの種よりも、溝にうずめたほうが早く根が出る。白癬菌も同じだ。胞子も「皮膚」にくっついているだけより、「皮膚でできた溝」に入り込んだほうが早く根付いてしまう。
つまり、条件次第では24時間よりも早く菌糸を伸ばしていく。さらに、湿度が高いなどの白癬菌にとっての好条件がそろうと、根が出るのがさらに早くなる。
だから、タワシや硬い垢すりでゴシゴシと洗うのは禁物だ。皮膚に無用な小さな傷をつけることになり、そこに胞子がもぐりこんでしまうからだ。したがって、皮膚を傷つけないように手で足を洗うようにしたい。洗い終わったら、しっかりと水分を拭いて、乾燥状態を保つ。
先述したように、24時間よりも早く菌糸が伸びていくこともあるので、外出から帰ったらすぐに足を洗おう。皆さんのなかには、家に帰ったら、うがいと手洗いを実行している人は多いだろう。そこに「足洗い」も加えたい。これが、水虫を防ぐ効果の確かな方法なのだ。
さらに、足の裏の白癬菌がつく可能性のあるバスマットやタオル、靴下などは、こまめに洗濯しよう。普通に洗濯機に入れて洗うだけで、白癬菌はきれいさっぱりと流れ落ちる。
水虫の人の足の角質が落ちれば、そこに白癬菌はいる。そういった場所は、できるだけこまめに掃除して、落ちた角質を除去するようにしよう。