秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」
水虫の怖い話…冬こそ要注意、間違った対処法で酷い重症化の恐れも
文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長
しかし水虫の薬は素晴らしく進歩しています。ラミシールという内服薬ができて劇的に治癒率が上がりました。きちんと内服を続ければ爪水虫も治るようになっています。ただし肝障害の副作用が時に起きるため、定期的な血液検査が必要です。ところが最近ルリコンなどの次の世代の水虫薬ができて、内服をしなくても塗り薬で完治できるようになりました。残念ながらノーベル賞はもらえそうもないですが……。
水虫の初期は湿疹と区別がつきにくく、間違ってステロイド軟膏をつける方がたくさんいます。アトピーや湿疹ならステロイド軟膏がすごく効くのですが、水虫にステロイド軟膏をつけると逆に悪化してしまうので要注意です。
さらに厄介なことに「白癬疹」という水虫の患部の周りにできる湿疹や、水虫の塗り薬の副作用による「薬剤性湿疹」もあり、素人判断をせずに一度は皮膚科に相談したほうがいいでしょう。
(文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長)