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次に男尊女卑について話そう。男女平等ランキングで世界144カ国中114位と、非常に悪いスコアを出している。特に格差が大きいのは管理職、政治家、経営者の比率だ。確かに日本を担うリーダーの育成という点で、女性教育は著しく遅れている。
一方、「日々感じやすい男尊女卑」では、日本よりもフランスやイタリアで強く感じられた。たとえばイタリアで男女連れだってレストランへ行くと、女性には「価格の記載がないメニュー」が渡される。男性が支払うのが当たり前だからだ。
これが高級レストランだけでなく、普通の店でも頻繁に起きる。同じくフランスで「女性」というだけで扉を開けてもらい、椅子を引いてもらい……私はレディーファーストの扱いを受けた。だがレディーファーストもまた「男女差別」でなくてなんだろうか。
女性を格下に扱うのも差別なら、むやみにちやほやするのも差別である。そこには「女性はか弱く、劣っているから助けてやらなければならない生き物だ」という前提が隠されているからだ。この論理で筋骨隆々とした女性までもが、風が吹いたら飛びそうな男性に守られる義理などないだろう。
日本について抗議はする、だがそれは日本で生きるからだ
とはいえ、私は日本のありかた、文化について抗議するだろう。男女の賃金格差は改善されたほうがよい。女性が会社でちやほやされて先に帰宅させられ、そして出世から遠ざけられるなら「男女ともに」早く帰れたほうがよい。だがこういった抗議はすべて、自分が生きていく国をより心地のいい場所へ変えていくためにやっていきたい。
そのとき、海外のほうが優れたアイディアを持っているなら取り入れればよいだろう。かつて明治維新で日本人がドイツやイギリスから柔軟に技術や文化を吸収し、先進国の仲間入りを果たしたように。だが海外が常に正しいとは限らないし、日本が優れた施策に取り組む第一号となってもいい。海外と日本を比べることは、日本をより住みやすい場所にするための手段であって、目的ではないのだから。
(トイアンナ/ライター、性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事)
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