サイゼリヤなどで見かける”あの機械”、家庭にも設置すべき!仕事・勉強の効率に大きく影響
最近、サイゼリヤなどの飲食店で、「CO2」と表示された機械を見かけることが多くなりました。
設置の目的は、十分な換気が行われているかどうかを二酸化炭素濃度で確認するためです。
一方、二酸化炭素濃度は、米ハーバード大学をはじめとする、さまざまな実験により、仕事のパフォーマンスに大きく影響することもわかっています。
米ローレンス・バークレー国立研究所が24名の大学生を対象に行った研究では、9種類の「意思決定テスト」を使って二酸化炭素濃度と判定能力の相関関係を測定しました。温度と湿度を同じにして、600ppm・1000ppm・2500ppmと3つに分けた二酸化炭素濃度の部屋で実験を行いました。
結果は600ppmの場合と比較して、
・1000ppmでは6種類のテストで有意な低下が認められました
・2500ppmでは7種類のテストで大きな低下が認められました
ちなみに、日本の換気の基準では建物基準1000ppm(厚生労働省)なので、基準をクリアしていても、換気の良い部屋に比べるとパフォーマンスが低下する可能性があるといえます。
私は多くのオフィスで二酸化炭素濃度を計測していますが、新しいビルなら、かなり密集しない限り、1000ppmを上回ることはありません。しかし、建物が古く換気機能が低いビルや、窓がなく人が密集しているオフィスでは、常時1500ppmを上回っていることも珍しくありません。
こういった二酸化炭素濃度の上昇による仕事のパフォーマンスの低下を防ぐために、サイゼリヤに置いてあるような二酸化炭素濃度を計測する機械を設置することをお勧めします。
5年ほど前までは数万円していた価格も、最近では精度や評価の高いものが1万円以下で出回っています。さらに最近の機械は、設定数値を超えるとスマートフォンやSlackなどのアプリにアラートが通知される機能があります。
換気の悪いオフィスだと、サーキュレーターなどの購入が必要になるかもしれませんが、仕事の生産性低下を考えると安い投資になると思います。家庭でも、まったく換気せずに仕事や勉強をしていると基準を超えることがあるので、家庭にもひとつ、この機械があってもよいかもしれません。
(文=角谷リョウ/パフォーマンスコーチ)