1月19日・20日の大学入試センター試験を皮切りに、世間は本格的な受験シーズンに突入する。受験生本人は当たり前として、その保護者までもが落ち着かない日々を送ることになるだろう。また、大人になってからも資格試験やTOEICを受けるとなると、試験当日の食事には気を遣うのではないだろうか。
さて、受験における関心事のひとつには、試験当日の食事が挙げられる。例えば、試験に“勝つ”ためにトン“カツ”を食べるというのは、あまりにも有名なゲン担ぎである。
しかしトンカツのような脂っこい揚げ物を食べたら、いくらゲン担ぎや本人の好物だったとしても、試験本番での集中力や健康面に影響が出るのではないか。
そこで今回は、試験に最高のコンディションで臨むための朝食メニューや、試験の合間につまむ軽食の選び方などについて、「All About 食と健康ガイド」の南恵子氏にアドバイスしてもらった。
トンカツはビタミンB群の補給に一役買うも、油脂類がネック
まず、試験当日の朝にトンカツを食べることの是非についてズバリ聞いた。
「大前提として、試験中に脳を働かせるうえで重要な栄養素は糖質です。糖質はご飯やパンといった穀類に多く含まれており、タンパク質や脂質よりも素早くエネルギーになってくれます。
その一方、糖質を脳のエネルギーに変えるためには、ビタミンB1をはじめとするビタミンB群が必要不可欠だということを忘れてはなりません。そう考えますと、トンカツの材料である豚肉はビタミンB群が豊富ですから、トンカツとご飯の食べ合わせは良好だといえるでしょう。
とはいえ、トンカツはパン粉の衣をつけて揚げるため、どうしても油の摂取量が多くなる料理です。ロースなどの脂身が目立つ部位が使われていればなおのこと、試験当日の朝から食べることで胃もたれになってしまったり、お腹がゆるんで痛みを引き起こしてしまったりといった可能性も出てきます。本人の体質にもよるのですが、当日の朝や前夜はトンカツを避けるか、もし食べるとすれば量を少なめにしたり、フィレのような赤身のトンカツを選んだりするのがいいでしょう」(南氏)