試験前の食事としてトンカツは一長一短の料理であり、食べるタイミングや部位には注意するべきといえそうだ。では“カツ=勝つ”というゲン担ぎから離れると、試験当日の朝食にはどのようなメニューが適しているのだろうか。
「受験は寒い時季に行われるのが一般的ですので、朝から身体を温めてあげることが、一日を元気にスタートするための要となります。ですからお味噌汁やスープなど、ともかく温かい料理がおすすめです。
また、身体や脳のエネルギーとなる糖質はやはり欠かせませんから、ご飯やパンを主食にしましょう。そして栄養素というものは、それ単体で何かの効果が出るわけではなく、お互いに助け合いながら作用します。つまりビタミンB群はもちろん、他のビタミンやミネラルを含む野菜・果物、タンパク源となる肉や魚など、多彩な食品から栄養素を取るべきだということですね。そうしたほうが腹持ちがよくなり、より効率的に勉強や仕事ができるようになると、さまざまな研究結果で明らかになっています。
具体的なメニューとしては、よく“一汁三菜”といわれるように、ご飯とお味噌汁、焼き魚か卵焼き、おひたし……といった和定食が理想。ですが、それだけのメニューを朝から用意するのは大変だと思うようでしたら、せめて野菜たっぷりのお味噌汁に卵を落とすなどして具だくさんにし、ご飯に添えるといいのではないでしょうか。試験会場での昼食につきましても、おむすびや菓子パンのみで済ませてしまうという受験生もいると思うのですが、できれば和定食のお弁当を持参したいものです」(同)
試験に合格したいなら、食物繊維豊富な食べ物をよく噛むべし
続いて、試験当日の休憩時間などに食べる軽食としては何が向いているのかを教えてもらった。
「私が軽食として推奨したいのは、昆布系の菓子や豆菓子、ドライフルーツなど、食物繊維が多くて噛みごたえがある食べ物です。よく噛んであごを使えば脳への血流がよくなりますし、満腹感にもつながるため、食べ過ぎを防ぐこともできます。さらに、これらの食べ物は食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルが豊富だというのもポイントですね。
ただ、ドライフルーツはカロリーが高いため、食べる量を調節するようにしましょう。噛みごたえという意味ではガムも適しているのですが、その場合はシュガーレスのものを買うなど工夫してください。糖分や塩分の過剰摂取に陥らないよう、受験生には食品の栄養表示をチェックする姿勢も求められるといえそうです。