豊富なバリエーションの日用雑貨やアイデアグッズを数多く取り揃えている100円ショップは、我々の生活を支えてくれる頼もしい存在といえるのではないだろうか。
100円ショップが取り扱う商品は、近年そのクオリティが劇的に向上し、値段に見合わぬ実力を持っているものも増えてきた。だが、その一方で「え!? もう壊れた」と、思わずがっかりしてしまうような商品がまだまだあるのも事実。
そこで今回は、100円ショップ業界の大手であるダイソー、セリア、キャンドゥ3社のなかから、壊れやすいと言わざるを得ない“安かろう悪かろう”な要注意商品を選出。実際に購入して使用してみたリアルな所感を、忖度なしでレビューさせていただいた。ぜひとも本記事を参考に、賢いお買い物をしてもらえれば幸いだ。
ダイソー「フック付きバサミ」/110円
まず紹介するのは、100円ショップ業界でシェアNo.1を保持しているダイソーが出している商品。布団を干す際に使える大型の洗濯バサミだ。
本品で布団を挟むことでしっかりと固定され、ずり落ちを防止してくれるというわけである。確かにこの商品、挟むピンチ力はかなりのもので、布団をしっかりと固定してくれるのは間違いない。
けれど難点は、その耐久性にある。というのも、本品の主な素材であるポリプロピレンは、長時間日光に当てていると徐々に劣化し、ついには破損に至ってしまうこともある材質だからだ。布団干しは必然的に長時間日光に晒すことが余儀なくされるので、使っていると劣化は避けられないだろう。
ダイソー「鉛筆(2B 12本)」/110円
次の商品も、ダイソーからピックアップさせていただいた。
勉強にデッサン、デスクワークのメモ取りから、ちょっとした家計簿の記入まで、デジタル時代になっても、まだまだ使う場面が多い鉛筆。
だが、ダイソーのこの商品は、あまりおすすめできない。本品は2Bの濃さの鉛筆が12本入って110円、1本当たり約9円という破格の安さなのだが、とにかく芯が折れやすいのである。
折れたことに気がついて鉛筆削りを使うと、その最中にまた折れてしまうこともしばしばで、ろくに使っていないのに、あっという間に短くなってしまうなんて場面もよく起きる。こんな耐久性では、そもそも使いづらいだろう。激安商品には違いないが、結果的なコストパフォーマンスは高い商品とはいいがたい。
ダイソー「シートケース」/110円
3つ目に紹介する商品も、ダイソーから選ばせていただいた。
手軽に使い捨てられるフローリングシートを使って部屋内を掃除する人も多いだろうが、そんなフローリングシートの弱点は、封を開けたことによる乾燥だろう。この商品は市販のフローリングシートなどを中に入れることで、乾燥を防いでくれるという代物。
しかし、懸念点があるのだ。内蓋についたパッキンが湿気を逃さないつくりになっているのだが、問題は外蓋。この外蓋の根元の蝶番部分の耐久度が低く、何度か使用していると、すぐに外蓋が取れてしまうのである。いくら内蓋がしっかりしていても、外蓋が取れてしまうのでは保湿も何もない。便利なアイテムだけに欠点が余計気になってしまうアイテムといえる。
セリア「ポリエチレン手袋」/110円
次は、業界シェア第2位のセリアから選出した商品。
セリアは今なお“全品税抜き100円”のスタンスを貫くことでファンを獲得しているブランドだが、この「ポリエチレン手袋」は、値段以下の実力といえるかもしれない……。
この商品は、排水溝の汚れなどを掃除するときに装着する使い捨ての手袋で、なんと110円という安さにもかかわらず100枚も入っている。
しかし、難点は耐久度。手袋をはめようと口部分の端を持って軽く引っ張ると、あっという間に伸びて破れてしまうのだ。手を汚したくない場所の掃除に使うアイテムなのに、この脆さのため、どうしても頭によぎってしまうのは“使用中に破れるのではないか”という不安感。値段と量はさすがだが、実用性が少々伴っていないのが残念な商品といえるだろう。
キャンドゥ「ディスクタイプタッチペン」/110円
最後に紹介するのは、キャンドゥの商品。
趣味や仕事でイラストを描いている人にとって、ペンタブで使用するタッチペンは大事な画材のひとつ。専門店に行かないとなかなか買えないと思われがちなタッチペンだが、意外にも100円ショップで取り扱われていることが多く、キャンドゥもそうしたブランドのひとつとして知られている。
この商品は、先端に5mmほどの透明の円盤が付いており、これがペン先を程よく固定してくれるので線が引きやすいと、利用者からは一定の評判を得ている。
だが、高評価が集まる一方で、不満の声も出ている。その理由はペン先の脆弱さ。実際手に取ると、樹脂製の柔らかい先端はスムーズに動くのだが、確かにすぐプチッとちぎれてしまいそうな心許なさを感じるつくりなのだ。値段は安く、描き心地も良いとのことなので、購入する場合は壊れやすいことを念頭に置いておくべきかもしれない。
総評…値段が安いとその分耐久性も落ちる傾向あり
ここからは、今回の総評を行っていこう。
今回選んだ商品はどれも税抜き100円と、その安さが魅力となっているものばかりだった。しかし、その安さゆえに長期の使用には不向きな傾向も、また共通して見られた。最初から使い捨てることを覚悟したうえでの購入であれば問題はないかもしれないが、ある程度長く使おうと思って購入した人にとっては、残念な耐久度のものが目立ったというのが正直な感想である。
とはいえ、100円ショップには“安いのに長く使える良品”もたくさんあるので、そうした良品を見つけ出してもらえれば幸いだ。
(文・取材=A4studio)
※情報はすべて1月27日時点のものです。