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坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第25回

大きく外れる年初の株価&経済予想、なんのため?昨年は3000円も乖離、その意味とは

文=坂口孝則/未来調達研究所取締役

●年初の株価予想、ほとんど無意味なのになぜ行われる?

 以上の中で昨年の最高予想は1万3500円であり、実際とは3000円もズレたことになる。ちなみにこれは新聞だけの特徴ではない。ネットメディアでも、さまざまな予想がなされていた。例えば、Yahoo!Japanの『教えて達人スペシャル!達人の2013年マーケットを大予想』( http://info.finance.yahoo.co.jp/kabuyoso/special/outlook2013 )における専門家たちの予想は、高値1万2650円~安値8500円(終値は9000円)と同じく外しているようだ(しかし、こういうのを消さないのが同サイトや専門家たちの偉いところだと私は思う)。おそらく反論としては、多くの社会的要因が絡まって株価をつくり上げるのだから、株価予想が外れても仕方ない、というものだろう。実は私もその反論に賛成する。まさにその意味で、年初の株価予想はほとんど意味のない、見世物程度の役割しか果たさないだろう。

 また、株価を予想するエコノミストやストラテジストも、本気で株価を予想できるとは思っているまい(たぶん)。紙上に載った専門家がダメだと言いたいわけではなく、株価予想が難しい、あるいは不可能だと私は言いたいので誤解なきよう。

 しかし、それでも年初の新聞には予想が載り続ける。では、この予想は誰のためにあるのだろうか。少なくとも私は趣味として、株価予想と実態をウォッチしていこうと思う。今年末が楽しみだ。

 それにしても見直していて面白かったのは、同じ経営者でも新聞によっては微妙に異なる株価予想をしていること(笑)。おそらく、各紙からの立て続けの質問に疲れてしまったのだろう。まあ、その程度の重みしかないかもしれないけどさ。
(文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役)

坂口孝則/未来調達研究所取締役

坂口孝則/未来調達研究所取締役

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。サプライチェーン分野の知識を使い、ものづくり領域の先端解説などを行う。
未来調達研究所

Twitter:@earthcream

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