–スポーツ界はいかがでしょうか。例えば、読売ジャイアンツの原辰徳監督はさわやかな顔立ちだと思いますが。
森嶋 もともとさわやかで誠実なイメージの顔でしたが、選手時代には線の細い印象がありました。しかし監督になってからは、さわやかさだけでなく、頼りがいが出てきたと思います。
●写真から相手をどう評価するか
–社員を採用する場合、履歴書に貼られた写真をどのように評価すれば、戦力になる人材かどうかを見抜けるでしょうか?
森嶋 職種によって異なるのではないでしょうか。本書には、童顔と大人びた顔の比較が書かれていますが、お客さんと頻繁に接する職種なら童顔のほうがよく、厳しい判断が求められる職種なら大人びた顔のほうがよいと指摘されています。
担当編集者 著者は取引候補の社長や採用候補者との面談で、あまり相手に関する情報を知りすぎていると、かえって人物が見えなくなり、顔写真だけのほうが適切な判断ができると指摘しています。例えば採用では、まず顔写真の印象の良い応募者を選んで、その後に履歴書などの情報と面接での評価を組み合わせて、判断するという方法もあるかもしれません。
–文藝春秋社の社員採用では、顔はどう評価されているのでしょう?
担当編集者 それはわかりません。さっそく人事部にこの本を熟読してもらいます。私が面接を担当した経験を思い出すと、笑顔の応募者が印象に残っているので、そういう方が書類選考に合格しているかもしれません。
–日本には「福相」という言葉があります。運の良い人生を送れそうな顔というものもあるのでしょうか?
森嶋 それも、やはり笑顔でしょう。著者も述べていますが、笑顔は人を引きつけ、何か問題に直面した時にも誰かに助けてもらえて、それが幸せな人生につながるのではないでしょうか。
–結婚相手を選ぶには、卒業写真で笑顔の人が好ましいといえるでしょうか?
森嶋 著者は、「卒業写真が笑顔の人は離婚率が低く、長生きする」という結論を導いています。そういう相手と結婚したほうが、幸せな家庭をつくれるのではないでしょうか。著者もテレビ番組のインタビューで「卒業写真がにこやかな笑顔の女性と結婚した」と答えています。
担当編集者 結婚を決意する前に、卒業アルバムを見たほうがよいかもしれません。
–ありがとうございました。
(構成=編集部)