ビジネスジャーナル > ITニュース > IT関連企業/サービスニュース > auニュース > 苦境ケータイショップがついに秘策!  > 2ページ目
NEW

長い待ち時間、キャリア間の差なく新規契約減…苦境ケータイショップがついに秘策!

文=佐野正弘/ITライター
【この記事のキーワード】, ,

 だがau WALLET Marketの狙いは、ほかにもあると考えられる。その背景にあるのは、iPhoneで激しい競争を繰り広げていた2、3年前と比べ、キャリア、そしてキャリアショップを取り巻く状況が大きく変わっていることだ。

 実際、NTTドコモがiPhoneを扱うようになったことで、3キャリア共にiPhoneが購入できるようになったほか、Androidが手薄だったソフトバンクがXperiaやGalaxyなどのAndroid端末を扱うようになったことで、キャリアが提供する端末の差はあまりなくなってきている。また、かつては各社がエリアや速度を競ってきたLTEのインフラに関しても、急速に整備が進んだことでユーザーの不満が減少。差別化要因とはなりにくくなっている。

 さらに料金などのサービス面に関しても、あるキャリアが新しい施策を打ち出せば、他社がすぐ追随して横並びになってしまうなど、差を付けにくい状況となっている。最後に残った唯一の競争軸がキャッシュバックなどによる端末の値引であったが、これもあまりの競争過熱によって自粛を余儀なくされてしまった。そうしたことから現在は、キャリア同士の競争がしづらくなっているのだ。

 キャリア間の競争が停滞すると、困るのは販売店、つまりキャリアショップである。なぜなら競争停滞の影響を受けることで、売り上げを上げるための端末販売や新規契約などが減少し、収益面で苦戦を余儀なくされるためだ。2年縛りの定着で、2年に1回しかショップを訪れないユーザーが増え集客のサイクルが落ちているなか、買い替えや新規契約が低下することは、キャリアショップにとって大きな痛手となっているのだ。

店頭で実施するサービスゆえの課題

 しかしながら、ショップ側が競争力を高めるために努力できることは多くなく、オプションやサービスを多数契約させることで端末代を安くすることぐらいである。だが、そうした無理な施策を続けていれば、顧客からの信頼も失ってしまう。ゆえに最近では、キャリアショップを運営する代理店が、スマートフォンのアクセサリーショップや格安スマホの店を設けるなど、脱キャリア化を進めて自社の売り上げを高めようという動きも増えている。

 一方でキャリアショップの売り上げが落ち、店舗数が減少することは、キャリアにとっても競争力低下をもたらすなどデメリットとなる。販売で無理をすることなく、キャリアショップでの売り上げを高めることはキャリアにとっても大きな課題となっているわけだ。そこでauは、au WALLET Marketでキャリアショップでの新たな収益源を確保するとともに、キャリアショップにユーザーが訪れる理由付けを与えようとしていると見ることができる。

長い待ち時間、キャリア間の差なく新規契約減…苦境ケータイショップがついに秘策!のページです。ビジネスジャーナルは、IT、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!