福留 “バカ”って言葉がもつイメージってみんなそれぞれ違うから、バカサミットみたいなイベントをしていると「けしからん!」とおっしゃる方もいるんですけど、出演してくださるのは、あるひとつのカテゴリーで突き抜けているってだけで、ちゃんとビジネスをされている方々ばかり。『日本唐揚協会』の八木宏一郎さんもおっしゃっているように、「ほか(の企業)とは優先順位が違うだけ」なんですよね。
ーー企業として必要なこともやっているけど、普通だったら後回しになるようなことがトップに来てしまうから、どうしてもバカっぽく見えてしまう、と。
福留 そうなんです。だからこそ、普通の会社がどのくらい利益を上げたかとか、いついつまでに上場したいとかを至上命題に掲げるところで、「唐揚げで世界平和を!」とかってことが言っちゃえる。そこだけ見るから、おかしな感じになるってだけでね。僕からしたら、オリンピックに出るようなスポーツ選手なんて、みんなバカだと思いますもん(笑)。
ーーですが、「バカでもいい」などと大々的に肯定されてしまうと、それを真に受けて勘違いする若者も増えそうです。
福留 確かに、それは否めないですね。僕らも最初は「仕事と遊びの融合」ってのを掲げていたんですけど、すごく勘違いされやすいのでやめたんです。遊びがそのまま仕事になるのは理想ではあっても、遊んでるだけでは決して仕事にはならない。そのニュアンスが難しいところではありますね。いまウチの会社で、水曜日を休みにして週休3日制にしていたり、昼寝をOKにしていたりするのも、ただ理想的なスタイルで働きたいってだけで、決して遊んでるわけではないんで(笑)。
ーーとなると、いま若いときの自分に面接に来られたら、正直困りますか?
福留 困りますねぇ(笑)。やることやっていかないと生きていけないんで、そこはやっぱりマジメにちゃんと働いて、自分自身を高めていける人でないと。とはいえ、そういう勢いだけはアリだと思いますよ。僕も最初は痛々しい感じでしたけど、仕事に対する熱量だけはあったんで。すぐにアリかナシかでくくらずに、何事にもチャレンジする姿勢は重要だと思います。
ーーでは最後に、進路に悩む若者たちに向けてメッセージをお願いします。
福留 僕自身、30代の手前まであんまりなんにも考えずに生きてきたし、こうじゃなきゃダメだなんてことにとらわれずに、バイトでもなんでもやれることをやっていけばいいんじゃないかと思います。物事には、違う世界でこそ生きてくるものも必ずありますしね。ただもちろん、どんなときであっても誰かのせいにするんではなく、「自分自身がどうダメだったか」を見るクセはつけておいたほうがいい。いくら「ヤなやつがいる」って言ってたって、そんなのどこにだっていますからね。