昨年の総務省のタスクフォースを受け、今年に入ってから携帯電話各社がライトユーザー向けの料金プランを開始したり、端末の実質0円での販売を取りやめたりするなどの措置を相次いで打ち出している。総務省も監視を強めるなど過剰なヘビーユーザー優遇の抑制に力を入れるが、果たしてどこまで実効性があるものとなっているのだろうか。
3社共にライトユーザー向けプランを提供
昨年9月の安倍晋三首相の発言に端を発した、携帯電話の料金引き下げ議論。総務省が「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」を実施し、その結果を受けて12月18日に、総務省は携帯電話大手3社に対して料金引き下げに関する要請を実施している。
そして今年に入ってからは、要請を受けた3社から、料金引き下げに向けた具体的な施策が次々と打ち出されている。最初に提示されたのは、ライトユーザー向け料金の提供だ。
総務省からの3社に対する要請には、大きく分けて2つの内容が提示されているが、そのうちのひとつが、スマートフォンをあまり利用しないライトユーザーに向けた料金プランを提供することである。総務省の調査では、スマートフォンユーザーのデータ通信容量が月当たり1GB未満というユーザーが多い一方、契約している料金プランは、高速データ通信容量が7GBのものが多かったことから、利用実態に即した料金プランを提供するべきというのが、その意図であるようだ。
この要請に対し、最初にプランの提示を実施したのはソフトバンクである。同社は1月7日に、通話定額の料金プラン「スマ放題」と、準定額の「スマ放題ライト」向けに、高速データ通信容量が1GBまでとなる「データ定額パック・小容量(1)」を4月以降、月額2900円で提供することを発表。スマ放題ライトと組み合わせることで月額4900円と、5000円を切る価格を実現するとしている。
NTTドコモも1月29日、2016年度第3四半期決算の説明会に合わせるかたちで、通話定額の「カケホーダイ」と、準定額の「カケホーダイライト」向けの「シェアパック5」を、3月より月額6500円で提供することを発表。こちらは高速データ通信容量が5GBのプランだが、家族で容量をシェアできることから、家族3人でシェアパック5とカケホーダイライトを組み合わせて利用することで、月額4600円の料金を実現するとしている。