大手携帯電話会社(キャリア)3社に続き、「格安スマートフォン(スマホ)」などと呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者:自社でモバイル通信のネットワーク設備などを持たずに、大手キャリアの回線を一部買い上げてサービス提供する事業者)での利用を想定したSIMフリースマホも、夏モデルが出揃おうとしている。
先陣を切ったのは、中国メーカーのファーウェイ。同社はライカとコラボし、カメラを2基搭載した「P9」を発売した。併せて、P9の廉価版ともいえる「P9 lite」も投入している。こちらは、価格が3万円を切るミッドレンジモデルで、SIMフリー端末の売れ筋。ハイエンドでメーカーとしての実力を見せつつ、ミッドレンジで実を取るという戦略だ。
これに対し、同じ中国に拠点を置くZTEは、ローエンドからミッドレンジのSIMフリースマホを、夏の新モデルとして用意した。ひとつが、指紋センサーを搭載し、筐体に金属を採用しながら2万円台前半を実現した「Blade V7 lite」。2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congressで発表されたモデルの日本版だ。もうひとつが、1万円台の「Blade E01」で、こちらは楽天モバイルからの販売も決定した。
早くからSIMフリー市場に参入し、「P8 lite」などのヒットモデルを出し、ブランド認知度を高めているファーウェイに対し、ZTEはまだ日本では無名の存在。コンシューマーに気軽に手に取ってもらうことを重視し、この夏はローエンドからミッドレンジモデルを強化したという。
同社はグローバルでのブランド力の向上をミッションに掲げており、フラッグシップモデルの構築にも注力している。5月には、米グーグルのVRプラットフォーム「Daydream」に対応予定のハイスペックモデル「AXON 7」を発表したばかり。ミッドレンジ以下のモデルで名前を売ったあと、こうしたモデルを日本でも展開していく予定だ。
日本での展開は未定だが、ASUSも台湾・台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEIに合わせ、フラッグシップモデルの「ZenFone 3 Deluxe」や、ミッドレンジモデルの「ZenFone 3」、大型ディスプレイを搭載し映像や音に優れた「ZenFone 3 Ultra」を発表している。