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これは、従来よりはるかに多くのアンテナを用いることで、電波の指向性を高め、ユーザー一人ひとりに電波を直接飛ばすことによって、混雑の影響を減らし通信速度を高める技術。ソフトバンクではこの技術を、傘下のWireless City Planningが運用しているAXGP回線(ソフトバンクでは「Softbank 4G」として使用)に導入することにより、混雑による通信速度低下の影響を軽減したのである。
事前の調査による予測と、混雑解消に向けた新技術の導入。これら2つの準備が整ったことから、通信容量を最も欲している若い世代から絶大な支持を得ている、iPhoneの新機種が登場したタイミングを見計らって、ソフトバンクはギガモンスターの提供に至ったものと考えられる。
Massive MIMOは通常よりもはるかに多いアンテナ素子を用い、電波の指向性を高め端末に直接電波を飛ばすことにより、通信速度を向上させる技術だ
他の2社が追従するのは簡単だったのか?
それだけ周到な準備の上に導入されたギガモンスターだが、数日のうちにはauやNTTドコモも相次いで提供を表明していた。両社とも一見簡単に追従しているようにみえるのだが、NTTドコモはギガモンスターが発表されてからウルトラパックを発表するまで5日かかっており、導入の判断に時間がかかったことをうかがわせている。
NTTドコモがギガモンスター対抗の「ウルトラパック」を発表するまでには、約5日のタイムラグがあった
準備が整っていない2社にとっては、従来はより高額で提供していたサービスを、予期しないタイミングで事実上値下げすることにもなるのだから、収益に与える影響が少なからずあるだろう。また容量を増やすことにより、通信トラフィックが増えることも避けられない。それでもなお、両社がギガモンスターに追従するに至ったのはなぜだろうか。
最も大きいのは、やはり競争上の理由であろう。容量に大きな差がつくことが顧客流出につながるとなれば、ユーザー数の減少が通信料収入の減少に直結するキャリアにとって、デメリットがあろうとも追従しなければより大きな減収を招きかねないからだ。それだけに両社とも、ある程度の減収は覚悟の上での導入といえる。
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