また、サイバーエージェント子会社になったQixilも、お金の流れが気になるサービス……。「実は、周囲からはサイバーエージェントはやめといたほうがいい」という声もあったと暴露する合田氏。しかし、エンジニア集団であるQixilにとって、最大の弱点はファイナンス。サイバーエージェント傘下に入ることによって、この弱点が解消された。「子会社になってしまうとハングリー精神がどうしても失われてしまう」と懸念したこともあったが、サイバーエージェント社内における競争文化によって現在でもベンチャー精神、ハングリー精神を失わずに働けていると合田氏は語る。
■起業家が注目するサービスはFril、STORYS.JP
また、スタートアップ企業に入社を目指す人にとっては、その「ブラック度」も気になるところ。事業が立ち上がったばかりで、寝れない……帰れない……と、さぞ苦しい環境で働いていると思いきや、それぞれの会社が「20時くらいには退社します」とホワイトな職場環境を力説。年功序列のみならず、長時間労働という悪しき日本の労働文化からも脱却しているようだ。
そんな中、1人苦い顔をしているのがQixil・合田氏。「昔に比べたら早く帰るようになったと思うんですが、状況によっては帰れないことも多い……。まだまだ事業の立ち上げ期ですし、社員はやりたいことをやっているので、ブラックではないと思いますよ。」と語った。
ソーシャルビジネスの最先端を生き抜く4人。自社の他に注目しているサービスはあるのだろうか?
数あるサービスの中でも名前が上がったのが、フリーマーケットアプリ「Fril」や人生のストーリーを投稿するサイト「STORYS.JP」といったサービス。「読者が、なぜ自分のブログではなく、あえてSTORYS.JPに投稿するのか? 自分のサービスにも直結する課題です」とU-NOTEの小出氏。
その他にも、プロモーション展開や、海外進出、さらには人材の確保など、スタートアップのリアルが語られたこの勉強会。イベント終了後にも参加者同士の積極的な名刺交換が行われ、スタートアップの勢いを肌で感じる結果となった。
モデレーターを務めたサイバーエージェントの渡邊大介氏は、
「次世代のビジネスリーダーを育てること」
「明日から仕事に使える知恵」
「ビジネスパーソンの繋がり」
を提供する場として「SHAKE100」を機能させていくことを目論んでいるようだ。「この場から生まれた繋がりによって、プロジェクトが誕生したり採用が行われることがあっていいと思っている」と語ることからも、この場がいかに自由でオープンな雰囲気であるかがわかるだろう。
“スタートアップの先輩”として、後輩たちのハブを目指すサイバーエージェント。おそらく、数年後にはこの場から第2、第3のサイバーエージェントが誕生していくことだろう。なお、この日のイベントは、さっそくU-NOTEに掲載されているので、興味のある方は併せてチェックしてみてほしい。
(取材/文=萩原雄太)