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高橋暁子「ITなんかに負けない」

Twitterで匿名で差別的投稿→人物特定され個人情報晒される事例多発…会社から処分も

文=高橋暁子/ITジャーナリスト

 さらにその男性が、ニッカウイスキーのサービス関連会社勤務だったことも要因となっていると考えられる。全体に、一流企業や大学などに所属していた場合、注目を集めて炎上しやすくなる傾向にあるのだ。その他、著名人だったり、ミス・ミスターユニバースだったり、一流企業から内定が出ていたりすると注目を集めやすくなる。自分が該当する場合は、くれぐれも発言には気をつけるべきだろう。

過去の投稿でも炎上するので見直しを

 昨年、ライトノベル『二度目の人生を異世界で』の作者まいん氏が、過去のヘイトツイートによって炎上した。同作品はアニメ化が決まっていたが、この影響で中止となってしまった。問題のツイート自体はデビュー前のものだったが、過去を掘り返されてしまい炎上につながったというわけだ。一般人のときは特に問題にならなかったが、著名人となったことで過去の投稿が問題視されてしまったというわけだ。

 冒頭の男性もアカウントを削除したが、過去のキャッシュなどが残っており、言い逃れることができなかった。SNSの投稿は、多くの人が見ている公の場と思ったほうがいい。検索の対象ともなるし、削除してもキャッシュなどが残っている場合も多い。たとえ過去の投稿だとしても、忘れた頃に自分の足を引っ張る可能性があるのだ。

 くれぐれも差別や女性蔑視発言はしないこと。特にSNSでは証拠が残るので逃れることができなくなる。万一してしまっていたら、過去の該当する投稿を削除したり、アカウントごと削除などしておいたほうがいい。実際に問題になってからでは遅い。複数のSNSを使っていると、知らず知らず多くの個人情報を公開することにつながり、モザイクアプローチという手法で簡単に個人が特定されてしまう。たとえ匿名でも問題あることは投稿しないようにしてほしい。
(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

書籍、雑誌、Webメディアなどの記 事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などが専門。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎) など著作多数。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。令和 三年度教育出版中学国語教科書にコラム掲載中。


高橋暁子公式サイト

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