これについて、カメラに詳しい知人に尋ねてみると「明らかにソフトのスペックが変わった」という。筆者も確認してみると、画質を左右する「ISO値」(感度)が、最大64から50に変更されていた。ISO値は低いほうが高画質になる。また、暗所での撮影にも強くなり、これまでのISO800からISO3200へ最大感度が上がっている。ISO値が上がると画質は落ちるが、その分明るく撮影できるのだ。
このように、画像処理エンジンは確実にパワーアップされており、画質の向上や評価測光のアルゴリズムの改善などが施され、より完成度が高くなった。筆者としては、iPhone 5さえあればコンテジを買う必要はない、とさえ思えるレベルだ。これで、一層写真を撮るのが楽しくなった。
しっかりと手前の雲が写っている。こんな写真が手軽に撮れるのがiPhone 5の魅力の一つだ。
マップの変更はネット上で大騒ぎに!
iPhone 5を語る上で決して無視できないのが「マップ」の大リニューアルだ。これまで、iPhoneのマップはGoogleマップを使っていたが、iPhone 5発売と同時にアップデートされたiPhoneのOS「iOS」がバージョン6になり、マップがアップルのオリジナル版に変更された。この理由は謎だが、アップルとGoogleとの「大人」の関係が背景にあることは間違いない。
しかし、このマップの日本の地理情報に致命的な誤りが多いため、ネット上で大騒ぎになった。例えば、羽田空港の中央になぜか「大王製紙」と書かれていたり、地名がハングルになっている、海の上に駅がある、存在しない駅がある。施設が実際の場所とずれて表示される、などなど、明らかな間違いが多い。ネットでも続々とマップに関するネタで盛り上がっている。
間違いのある地図を搭載しているのは問題だが、こればかりは時間をかけて直してもらうしかない。GoogleマップもマイクロソフトのBingの地図も、情報が充実するまで相当な時間がかかっている。アップルが、これから全世界の地図を修正するのは大変な時間がかかるだろうが、今後の進展に期待したい。
それまでは、Googleマップを併用すれば実用上は問題ないはずだ。ちなみに、GoogleからはGoogleマップアプリのリリースはまだ表明されていないが、従来の「マップ」のように、ネット上にはiPhoneのホーム画面に従来のマップをアイコン表示で登録できるスクリプトもある。確かに不便になってしまったが、iPhoneでGoogleマップが使えなくなったわけではない。