参議院議員の立花孝志氏が代表を務める「NHKから国民を守る党」(以下、N国党)の話題が尽きない。タレントのマツコ・デラックスが発したコメントに立花代表が激怒しており、新たな火種となっているのだ。
事の発端となったのは、7月29日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)。番組で“NHKをぶっ壊す”というフレーズが小学生の間で流行しているという話題を取り上げた際に、マツコは「この人たちが本当にこれだけの目的のために国政に出られたら、それで税金払われたら、受信料もそうだけどそっちのほうが迷惑」と批判。さらに「今のままじゃただ気持ち悪い人たちだから」「宗教的な感じもあるんだと思うんだよね、“NHKをぶっ壊す教”みたいな。ちょっと気持ち悪いし、この人(立花氏)も気持ち悪い」と切り捨てた。
マツコの発言を受け、立花氏は東京スポーツの取材に応じて、怒りをあらわにした。「立花やウチの党をバカにするのはいいけど、党に投票してくれた有権者をバカにしないでもらいたい」と不快感を示した。また8月5日には自身のYouTube公式チャンネルに投稿した動画で、「スタジオに(自分を)呼んだら? こんな一方的に悪口言うんだったら。いくらでも出てあげるよ」と“宣戦布告”している。
マツコと立花代表のバトル勃発に、ネット上では「国民から選ばれた人を気持ち悪い呼ばわりするのは言いすぎ」「NHKに物申せる人が現れたのだから、N国党の動向をしっかり見るのが先決」といった声があがった。また立花氏に対しても、「場外乱闘している時間があるなら、具体的に政策案を進めてほしい」「立花代表はエネルギーを注ぐ方向が間違っている」との批判が相次いだ。
N国党について発言している有識者は、マツコに限ったことではない。1日放送の『AbemaPrime』(AbemaTV)に立花氏が出演した際、共演者で「2ちゃんねる」創始者の西村博之氏が立花氏の政見放送を批判した。西村氏は「政見放送って子どもが見ていいものだし、見るべき」とした上で、NHKアナウンサーの不倫スキャンダルの話題を持ち出した立花氏について「根元の『モラルがヤベぇんじゃないの』って話をちゃんとしたほうがいい」と苦言を呈した。
また同日放送の『NewsBAR橋下』(AbemaTV)でも、橋下徹・元大阪市長とゲストの東国原英夫・元衆議院議員が言及。東国原氏が「地方自治体をなめている」「政治哲学として僕は受けつけない」と批判する一方で、橋下氏は「今までの自民党もNHKに文句は言うけど、本気の改革ってやってないんですよ」「改革をやってくれたら僕は大賛成」とN国党に理解を示した。
たとえ“ワンイシュー”であっても、国民から信任を受けて国会議員に選ばれたわけだから、不必要な“場外乱闘”で耳目を集めるのではなく、政策を論点として議論を活発化させてほしい。
(文=編集部)